最新記事

BOOKS

2、3冊の同時並行読みを15分──「5つの読書術」を半年続けることで表れる変化とは?

2023年3月1日(水)09時57分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

(2)漢字だけ追う──日本語という利器を生かす

古代、無文字社会だった日本は、中国から漢字を輸入した。はじめは万葉仮名として、漢字を日本語の音に該当させていた。阿(あ)、伊(い)、宇(う)、衣(え)、於(お)、青丹吉(あを・に・よし)、咲花乃(さく・はな・の)、などと書いていた。

それでは時間がかかりすぎるので、簡略にするためにひらがな、カタカナを生んだ。漢字を崩した草書体からひらがなを、偏(へん)や旁(つくり)だけに省略したカタカナを作り、助詞などにあてていった。漢字仮名まじり文である。これは、世界でも類例のない表記法で、日本文化最大の発明だ。

だから、日本語を読み、書けるというのは、それだけで宝くじに当たったような僥倖なのだ。名詞でも動詞でも形容詞でも、いわば大事な「概念」は漢字にしてある。

そして、日本語の「情緒」は、送り仮名にある。「てにをは」が日本語の骨法だ。わたしたちの祖先は、じつに便利かつ美しいシステムを開発してくれたのだ。

これを利用しない手はない。日本語の本質は送り仮名にあるといってもいいが、しかし、これは「情緒」なのだから、情報だけを得ようとする速読ならば、読み飛ばしていいだろう。例をあげる。

象は鼻が長い。
象の鼻は長い。
象が鼻は長い。

この文章は、いずれも違う情緒、異なった「感じ」がある。その違いを味わうことが、日本語を読むことだ。

しかし、情報だけ分かればいい速読ならば、象→鼻→長だけ目に入れば十分だろう。漢字だけに目を走らせる。それだけで文意がつかめる。

これはやや極端な例だが(この文章を題名にした日本語論の名著がある。三上章『象は鼻が長い』)、もっと長くて、複雑な文章になるほど、この手法は効果がある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「高市ラリー」再開か、解散検討報道で思惑

ビジネス

トランプ米大統領、クレジットカード金利に10%の上

ビジネス

関税返還となった場合でも米財務省には十分な資金=ベ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米雇用統計予想下回る 円は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 8
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中