2、3冊の同時並行読みを15分──「5つの読書術」を半年続けることで表れる変化とは?
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<本を「人生の友」にしてきた、朝日新聞編集委員の近藤康太郎氏。名文家が語る、速読力を養う5つの技術とは?>
※前編:人生に本は100冊あればいい──紙の本こそが「速読に適したメディア」である理由とは?より
文章術の実用書でありながら、ノウハウだけではない。生き方まで問われる、まるで思想書──口コミ、文章講座や勉強会で噂が広まり、売れ続けている文章読本がある。朝日新聞の名物・名文記者として知られる近藤康太郎氏が書いた『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』だ。
その文章術には、日本文学や海外文学の古典、自然科学、社会科学、そして詩歌にいたるまで、広く、かつ深く読むことで培われた教養で盤石な土台が築かれている。
しかし、どのようにして読書に時間をあて、書物を血肉にすればいいのだろうか。近藤氏の新刊『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』(CCCメディアハウス)より「第1章 終わりなき論争:速読の技術/遅読の作法」を抜粋する。
速読力を養う5つの技術
多くのビジネス書、実用書の類いは、練習すれば速読できるだろう。1分で5〜10ページ。新書サイズならば1時間もあれば1冊読み終える。それぐらいのスピード感。
小説は、速読するものではないとわたしは思う。だが、速読できる場合はある。資料として使うもの、あらすじが分かればいい小説ならば、速読できる。
読むことが仕事であるライター仕事をしていれば、しぜん、速読の技術には通暁(つうぎょう)するようになる。以下はそのテクニック、まずは簡単なほうから。あくまで一例で、読者の参考になればうれしい。
(1)音読しない──視覚で読む
自分で気づいていない場合も多いが、小さく唇を動かして文章を読んでいる人がいる。妙な言い方だが、黙読しながら音読している人もいる。声を出さず、唇も動いていないのだが、一文字ずつ目で追っている。あるいは、脳内で音に再生している。いわば疑似音読だ。
そうではなく、文字という象徴(シンボル)を、視覚情報として脳に入れる。文字を、〈読む〉のではなく、〈見る〉。聴覚ではなく、視覚。意識するだけで、格段にスピードは上がる。
『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』
近藤康太郎[著]
CCCメディアハウス[刊]
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