最新記事

経営

話題の心理的安全性、これがない会社の6つの特徴とは?

2023年2月28日(火)20時25分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載

心理的安全性を高くするメリット

職場の心理的安全性が高まると、以下のようなメリットがあります。

①チームのパフォーマンス(生産性)の向上

心理的安全性の高いチームは、低いチームに比べてチームのパフォーマンスが向上する傾向にあります。

なぜなら、心理的安全性の高いチームは各々のモチベーションが向上しやすく、不安を覚えることなく仕事に集中できるからです。また、コミュニケーションが密になることによってミスや手戻りが発生しづらく、発生したとしてもチームでリカバーやフォローがすぐに入りやすいので生産性が向上しやすくなります。

②ナレッジやノウハウの増加

心理的安全性の高いチームは、 チーム内のナレッジやノウハウが蓄積しやすくなります。

なぜなら、心理的安全性の高いチームは、コミュニケーションが密なため、メンバー間での業務知識やノウハウの共有が進みやすいからです。逆に、風通しの悪いチームのメンバーは業務知識やノウハウ共有に消極的で、業務を囲い込もうとする傾向にあります。そのようなチームはお互いに信頼関係が構築されていないため、自身の知識やノウハウを他のメンバーに提供することが自身の利益になると実感できないからです。

③ビジネスアイデアの創出

心理的安全性の高いチームでは、ビジネスアイデアが創出されやすくなります。なぜなら、心理的安全性の高いチームでは会議での発言が多くなり、突拍子の無いアイデアでも言いやすい雰囲気がつくられているからです。

全員がすんなり納得するような無難なアイデアは、往々にして凡庸であることが多いです。一見、荒唐無稽に見えるアイデアでも発言し、活発に議論してこそよいアイデアが創出されます。よいアイデアを出すためには心理的安全性は必須ともいえるでしょう。

心理的安全性についての注意点

心理的安全性を確保するのに多い勘違いなテクニックとして「一切の発言を否定・批判せずに肯定しかしてはならない」というものがあります。これは間違いで、心理的安全性は意見のぶつかり合いや活発な議論・討論を否定するものではありません。

心理的安全性が低い状況とは意見のぶつかり合いを恐れて何も言わなくなってしまうことです。一部の人だけが積極的に発言し、他の人は萎縮しているという状況も同じです。

このようになってしまうのは、以下のような雰囲気や思い込みが原因の一端として存在します。

・荒唐無稽なアイデアや、誤った意見を言った人を嘲笑する雰囲気がある
・会議中の発言によって人事評価に影響が及ぶ(ペナルティがある)
・上司の発言に反論したら怒られるのではないかという思い込み

ポイントは相手の発言内容と、相手の人格や尊厳は切り離して考えなければいけないということです。意見を交わす際にも相手への敬意は忘れないようにしましょう。

(参考記事)チームの"ミッション"を共有して『従業員満足度』(ES)を向上する

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱UFJFG、発行済み株式の0.68%・1000

ワールド

中国、台湾新総統就任控え威圧強める 接続水域近くで

ワールド

米財務省、オーストリア大手銀に警告 ロシアとの取引

ビジネス

MUFG、今期純利益1兆5000億円を計画 市場予
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中