最新記事

BOOKS

何かに取り憑かれたかと思うほど心揺さぶられる本...「一流の生き方」の教科書

2022年4月5日(火)11時20分
flier編集部

「寸言こそ人を感奮興起させる」。この言葉の通り、稲盛さんの寸言に込められたエネルギーが読者の方々に伝わったのではないでしょうか。

220402fl_bps02.jpg

稲盛和夫一日一言
 著者:稲盛和夫
 出版社:致知出版社
 flierで要約を読む

変化の激しい時代にこそ、人は「心のよすが」となる普遍的な教えを求める

── 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』にも『稲盛和夫一日一言』にも、一流の方の人生哲学・仕事観が詰まっています。いまの時代に、読者がこうしたテーマに惹かれる理由は何だとお考えですか。

藤尾 変化の激しい時代にこそ、「何のために生きるのか」「何のために働くのか」といった原理原則が求められるからではないでしょうか。

『致知』の誌名は、2500年ほど前に記された東洋古典『大学』の一節に由来します。『大学』や『論語』のように、何千年もの時を超えて読み継がれてきた古典には、普遍的な教えが凝縮されています。

現在の日本に目を向けると、長引くデフレに加え、コロナ禍やデジタル革命が起き、めまぐるしい変化に直面している真っ只中です。こうした転換期こそ、平時以上に人は「心のよすが」となる指針を求めるのではないかと思います。

ビジネスパーソンでも学生でも、目標に向かって真剣に取り組んでいる方が本書を読めば、心が研ぎ澄まされ、目標を達成する力を得られるはずです。一方、悲しい出来事に直面している人が本書にふれると、「これほどつらい状況でも乗り越えられるのか」と勇気づけられます。こんなふうに、両方の局面において心に響く言葉を見つけられる一冊ではないでしょうか。

「やらされている百発より、やる気の一発が勝る」

── お二人にとって特に印象に残っているインタビューはどのようなものでしたか。

藤尾 全部といいたいところですが、とりわけ印象深いものの1つは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させたマーケターの森岡毅さんです。インタビューの際は、森岡さんがもともと『致知』を愛読されていたこともあってか、マシンガントークがとまりませんでした。

非常にしびれたのが、「ある問題について、地球上で最も必死に考えている人のところにアイデアの神様は降りてくる」という言葉です。これは私自身が編集者として寝ても覚めても企画のことを考え抜くという心懸けとも符合しており、実感を以て感動しました。

入社当初から「著者に感謝され、感動される仕事をしよう」という気構えで仕事をしていました。もっとも、これは私がそうしようと思ったわけではなく、弊社社長が創刊間もない頃から培ってきた仕事魂であり、脈々と受け継がれてきた致知編集部のDNAです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中