ウクライナ危機、ロシア事業を続々停止する日本企業まとめ
●コマツ
ロシア向けの出荷を見合わせ。物流や金融など現地の状況が混乱しているため。生産は部品在庫や仕掛品がなくなれば停止する可能性。
●スズキ
ハンガリー工場からロシアとウクライナへの輸出を停止。
●マツダ
ウラジオストクの合弁工場向けの部品輸出を、予約済みのコンテナが終了した時点で止める。現地に在庫がある限りは生産・販売を続ける。2021年はロシアで約3万台を販売した。
●トヨタ自動車
ロシアでの自動車生産と完成車の輸入を4日から当面の間、停止する。欧州や日本からの部品調達が滞り、安定的なサプライチェーン(部品供給網)の維持が難しくなっているほか、ロシアに完成車を輸送する運搬船の一部にも影響が出ている。再開時期は未定。
●ホンダ
ロシア向けの四輪車と二輪車の輸出を一時停止した。物流と金融の混乱で、製品輸送と決済に影響が出ているという。ロシアにおけるホンダの四輪車販売台数は2020年度に1406台だった。
●三菱自動車工業
生産・販売は部品在庫がなくなり次第停止。現地での決済がルーブル建てのため、支払い停止で部品供給が止まる可能性は低いものの、部品供給が滞るなどサプライチェーン(部品供給網)上の影響が出る恐れがあるとしている。
生産拠点は欧米大手ステランティスとの合弁工場で、モスクワ南西に位置するカルーガにある。三菱自はロシア国内など向けにスポーツ多目的車(SUV)の「パジェロスポーツ」や「アウトランダー」を生産している。
●伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEX
参画するサハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」から米石油大手エクソンモービルが撤退を決定。
サハリン1は、日本の官民で作るサハリン石油ガス開発が3割の権益を保有。同社には経産相が50%、伊藤忠がグループで約16%、石油資源開発が約15%、丸紅が約12%、INPEXが約6%出資している。ロシア石油大手のロスネフチ、インド石油天然ガス公社も同事業に参画している。
●三井物産、三菱商事
参画するサハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」から英石油大手シェルが撤退を決定。三井物産は「シェルの発表内容の詳細を分析中。日本政府とパートナーと検討を進めていきたい」、三菱商事は「シェルの発表内容の詳細を分析の上、日本政府およびパートナーとの検討を進める」としている。
サハリン2にはロシアのガスプロムが約50%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%出資している。三菱商事によると、年間のLNG生産能力はおよそ1000万トンで、約6割を日本向けに供給している。
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