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ウクライナ情勢格付会社フィッチとムーディーズ、ロシアを異例の6段階格下げ ジャンク級に
格付け大手フィッチ・レーティングスは、ウクライナへの軍事侵攻を受け、ロシアの格付けを「BBB」から「B」に引き下げた。24日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
格付け大手フィッチ・レーティングスとムーディーズは2日、ロシアの格付けを6段階引き下げジャンク級(投機的)とした。ウクライナ侵攻を受けて西側が科した制裁により、ロシアは景気の悪化が見込まれ、債務返済能力に疑問符が付いたとしている。
S&Pグローバル・レーティングも先週、ロシアの格付けをジャンク級に格下げている。
また、株価指数を算出するFTSEラッセルとMSCIは2日、全ての指数からロシア株を除外すると発表した。
フィッチは、ロシアの格付けを「BBB」から「B」に引き下げ、格下げ方向で見直す「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」とした。先週、格下げ方向で見直すと発表していたムーディーズは、「Baa3」から「B3」に引き下げた。
フィッチはリポートで「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けた国際社会の制裁の厳しさは、マクロ経済と金融の安定リスクを高め、ロシアの信用のファンダメンタルズに甚大なショックを与えた。政府債務の返済能力に影響が出かねない」と分析。
制裁により、ロシアの潜在成長率はフィッチの従来予想の1.6%から大きく低下する可能性があるとの見方を示した。
ムーディーズは、制裁の規模と厳しさは「当社の従来の想定以上のもので、信用への影響も大きい」と指摘した。
みずほのアナリストは、格下げや指数からの除外で「(ロシア資産からの)資本流出がさらに加速する可能性がある」としている。
JPモルガンなどのアナリストは2日、ロシアに対する制裁で同国のドル建て国債などがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が大幅に高まったとの見方を示していた。
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