最新記事

ビジネス

半導体不足、自動車から白物家電にも影響が波及へ

2021年3月30日(火)10時30分

白物家電で世界最大手の一角を占める米ワールプールの中国現地法人社長を務めるジェーソン・アイ氏は、世界的な半導体不足の影響が家電メーカーにも波及してきたとの見方を示した。写真はラスベガスでの見本市で撮影されたワールプールの冷蔵庫。2016年1月撮影(2021年 ロイター/Steve Marcus)

白物家電で世界最大手の一角を占める米ワールプールの中国現地法人社長を務めるジェーソン・アイ氏は、世界的な半導体不足の影響が家電メーカーにも波及してきたとの見方を示した。

半導体不足によって既に自動車生産が止まったり、携帯端末の在庫をそろえるのが難しくなったりしている。

こうした中でアイ氏は、中国最大の家電見本市「アプライアンス・アンド・ワールド・エレクトロニクス・エクスポ」が開催されている上海でロイターの取材に応じ、3月の半導体納入は発注分に約1割届かない見込みだと明かした。

アイ氏は「一方で中国国内の家電需要を満たさなければならず、他方で輸出受注の急増に直面している。中国にいるわれわれにとって半導体に関する限り、不足状態は逃れようがなかった」と語った。

同社が十分な量の確保に苦労しているのは、電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などの製品の電力を制御する単純な構造のマイクロコントローラーと呼ばれる半導体だ。こうした半導体は自動車にも使われており、引き続き供給不足が最も深刻な状況にある。

利用する企業が一斉に在庫積み上げに向けて買いに走っているため、ワールプールだけでなく他の家電メーカーも調達が難航している。

杭州老板電器も、十分なマイクロコントローラーを十分に仕入れることができなかったため最新の高価格ストーブベントの発売を4カ月延期せざるを得なくなった。

*英文の訂正により、本文3段落目のアイ氏の発言内容について、「欧州と米国向けの輸出ペースが時期によっては最大で25%程度遅れが生じていると明かした」を「3月の半導体納入は発注分に約1割届かない見込みだと明かした」に訂正しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国人富裕層が感じる「日本の観光業」への本音 コロナ禍の今、彼らは何を思うのか
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:東証の市場再編、迫る経過措置切れ 投資機

ワールド

ウクライナ代表団が訪韓、武器支援を要請=報道

ワールド

NZ中銀、政策金利0.5%引き下げ 追加緩和を示唆

ワールド

レバノン北部のシリア国境に初のイスラエル空爆と閣僚
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 7
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 8
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 9
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 10
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中