最新記事

韓国経済

韓国製造業PMI指数、1月は49.8で再び50割れ 新型コロナウイルスで先行きに影

2020年2月3日(月)15時50分

日経/マークイットが発表した韓国の1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.8と、前月の50.1から低下し、ふたたび景況拡大・悪化の分かれ目となる50を下回った。写真は2019年1月(2020年 ロイター/Kim Hong-Ji)

日経/マークイットが3日に発表した韓国の1月の製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は49.8と、前月の50.1から低下し、ふたたび景況拡大・悪化の分かれ目となる50を下回った。

国内の売上高低迷が響いた。また、今回の数字には新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響がまだ含まれておらず、今後数カ月は景気により強い圧力が生じる可能性があるとみられている。

12月のPMIは8カ月ぶりに50を上回っていた。

1月の新規輸出受注は前月の水準は下回ったものの2カ月連続で拡大を示し、2018年7月以来初めての連続拡大となった。米中貿易摩擦の緩和と対日貿易関係の一定の改善が反映された。

新規受注全体も2カ月連続の拡大となったが、やはり内需低迷でペースは鈍化した。

IHSマークイットのエコノミスト、ジョー・ヘイズ氏は「輸出環境の改善は安心材料となるが、国内の景況悪化により、中銀に追加刺激策を講じる圧力がかかるだろう」と述べた。

中銀は2015年6月に中東呼吸器症候群(MERS)流行を受けて予防的利下げを行ったが、今回の新型コロナウイルスによる影響の可能性については、現時点で対応に動くのは時期尚早と考えている模様だ。

一方、中銀は昨年、米中貿易摩擦に伴う外需低迷による圧力を緩和するため、2度の利下げを行っている。

1月は定年や自主退職、企業のリストラにより企業の人員が9カ月連続で縮小。企業の今後12カ月の景気見通しは22カ月ぶり高水準になったものの、新型コロナウイルスによる死者数が増加し、企業側の混乱が長期化すれば、景況感の悪化につながる可能性があるとみられている。

[ソウル 3日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200211issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月11日号(2月4日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【韓国人編】」特集。歌人・タレント/そば職人/DJ/デザイナー/鉄道マニア......。日本のカルチャーに惚れ込んだ韓国人たちの知られざる物語から、日本と韓国を見つめ直す。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中