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VWだけじゃない、排ガス不正

現行の検査体制は穴だらけ。今すぐ制度の刷新が必要だ

2015年10月2日(金)11時00分
コール・スタングラー

VWは氷山の一角 排ガス検査の体制自体に長年問題があった Shannon Stapleton-REUTERS

 フォルクスワーゲン(VW)に何年もだまされ続けてきた規制当局が反撃に出た。同社が09年から15年まで排ガス検査を組織的にごまかしてきたことを認めると、米環境保護局(EPA)は先週、車両検査の強化を宣言。今後はVWが使用していたような、検査時だけ有害物質の排出量を減らす不正ソフトウエア「ディフィート・デバイス(無効化装置)」の摘発にもっと力を入れるという。

 環境保護団体シエラクラブの政策アナリスト、ジェシー・プレンティスダンはこの動きを歓迎する一方、長期的な対策として「検査の在り方を刷新する必要がある」と指摘する。

 現在は自動車メーカーが自社で検査を行い、結果を当局に報告する形になっている。EPAは車両の抜き打ち検査を実施しているが、そのための人員や予算は心もとない。

クライスラーもGMも現代も

 消費者団体の自動車安全センターのダン・ベッカーは、検査をメーカー任せにせず、実施主体を当局の監督下にある研究機関に移さない限り、排ガス基準を守らせることはできないと主張する。「今の体制は、キツネに鶏小屋の管理を任せているようなものだ。絶対にうまくいかない」

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