ドイツに初のイスラム銀行が誕生
ヨーロッパの他の地域でも、ムスリム人口の増加に伴い、イスラム金融サービスのニーズが高まっている。米シンクタンク、ゲイトストーン研究所の調べでは、イスラム金融はイスラム教徒が多数を占める中東とアジアの国々以上に、イギリス、フランス、ドイツで急成長しているという。
非ムスリムの利用者も増えている。イギリスに最初に誕生したイスラム銀行、イスラミック・バンク・オブ・ブリテンは昨年、バークレイズ銀行の金利不正操作スキャンダルの影響もあって、非ムスリムの預金者の口座開設が55%増えたと発表した。
イギリスのイスラム銀行、アルラヤン銀行のマーケティング・リテール部門を率いるティム・シンクレアによると、この2年間に定期預金をした顧客の83%は非ムスリムだ。イスラム金融の倫理的な姿勢が評価されていると、シンクレアはみる。「比較的小規模なわが行は、倫理的な慣行を強みにしている。シャリーア遵守の立場から悪質な事業には投資せず、透明性を保っている」
ドイツでは昨年、難民申請が12年の4倍の20万件前後に上った。申請者の多くは中東出身者だ。ドイツ連邦政府が先週発表した統計によると、ドイツの市民権を持たない在留者は820万人に達しつつあり、人口の10%以上を占めている。昨年、新たにドイツに住み着いた外国人は50万人余りで、旧ユーゴスラビア紛争で多数の難民が流入した91年と92年以降の最多に上った。