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世界のメーカーがブラジルに熱視線を注ぐ理由

2010年9月17日(金)13時22分
ジェシカ・ラミレス

 アメリカで車の需要が減少し、日本ではエコカー補助金の申請受け付けが終了。自動車業界で明るい話題が少ない今、ひときわ輝いているのはブラジルだ。03年に世界第10位だった自動車産業が、今年は4位のドイツを抜く勢い。14年までに新車の購入需要は年間400万台になると予測される。

 これに目を付けたのはアジア諸国の自動車会社だ。トヨタは12年に稼働予定のブラジルの第2工場に6億ドルの設備投資を行い、韓国の現代自動車も同年に進出。中国の奇瑞汽車が7億ドル投資した工場を合わせ、3社の工場で年間40万台以上の新車が生産されることになる。

 これらの企業の目標はフォルクスワーゲンやフォードなどの大手から市場シェアを奪うことだ。世界的に景気が後退しているにもかかわらずブラジルでは失業率が比較的低く、中流層への融資額も多い。サッカーW杯と夏季五輪の開催を控え、インフラ整備が進み持続的成長も保証されている。

 自動車メーカーにとって、回復に向けた希望の道はブラジルを通っているのかもしれない。

[2010年9月22日号掲載]

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