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マーケティングW杯スポンサーで独り勝ち現代自動車
北米市場で販売攻勢を強めている現代が、ワールドカップ人気とアメリカ善戦の相乗効果で大躍進を遂げるかも
目立つヒュンダイ W杯のスタジアムにもHYUNDAIの広告が(11日のウルグアイ対フランス戦) Carlos Barria-Reuters
韓国の自動車メーカー、現代自動車は、国際サッカー連盟(FIFA)の公式スポンサーとしてワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に車両を提供し、試合の中休みに放送されるその名も「現代ハーフタイム・リポート」という番組を提供している。これらのスポンサー契約を巡っていったい何社の自動車メーカーが熾烈な競争を繰り広げたか知らないが、近年マーケティング上のヒットを放ち続けてきた現代自動車にとって、これはひときわ輝かしい栄冠になるかもしれない。
第一に、「現代ハーフタイム・リポート」は完璧だ。サッカーファンはCMによる試合の中断を何より嫌う。自社ブランド名を露出させたい企業にとってハーフタイムはほぼ唯一のチャンスなのだ。
また過去10年というもの海外市場、とりわけ北米市場での販売攻勢を強めてきた現代自動車にとって、W杯は2度おいしいイベントだ。世界中が熱い視線を注いでいるのはもちろんだが、普段ならサッカーを無視するアメリカ人にとっても、W杯だけは特別だ。
とくに今後数週間は、アメリカ人のサッカー熱が頂点に達する可能性がある。アメリカは先週土曜、イングランドとの試合を引き分けに持ち込んだので、1次リーグの勝敗が決まるまで少なくともあと数試合は熱狂の舞台が用意されたのだ。現代自動車のメッセージや製品を目にするアメリカ人の数もそれだけ増える。
GMに引き抜かれた立役者
W杯関連イベントの幟などあらゆる場所に現代自動車のロゴを使わせているのも、同社の奇跡的マーケティングの成功のあかしだ。
現代自動車は昨年来、新車購入者が1年以内に失業した場合車を返品できる制度や、ガソリン代を一部肩代わりするサービスなど、消費者向けに革新的な販売キャンペーンを行ってきた。高級車市場への参入も順調だ。後輪駆動のセダン、ジェネシスは、価格帯ではベンツやBMW、レクサスと同等クラス、技術的にはインフィニティやアキュラを上回り、おおむね好評を博している。
現代自動車の唯一の問題は、5月に北米のマーケティングを担当していたジョエル・エワニックをゼネラル・モーターズ(GM)に引き抜かれたことだ! マーケティングの天才エワニックは、絶滅した恐竜を甦らせるという広告業界で最も刺激的な仕事の誘惑に勝てなかったのだ。