最新記事

前作を超えたアイアンマン

アカデミー賞を追え!

異色の西部劇から傑作アニメまで
2011注目の候補を総ざらい

2011.02.21

ニューストピックス

前作を超えたアイアンマン

マンネリ化したシリーズ続編があふれるなかで、『アイアンマン2』は思いがけない掘り出し物

2011年2月21日(月)16時09分
ラミン・セトゥデ(エンターテインメント担当)

 最近の映画ときたら続編ばかりだと、友人が文句を言っていた。『トイ・ストーリー3』『セックス・アンド・ザ・シティ2』『エクリプス/トワイライト・サーガ』と、続編のオンパレードだ。

『シュレック・フォーエバー』に至っては設定に困り、われらが緑色の主人公シュレックは過去の記憶を抹消され、フィオナ姫も友達もいない別世界に放り込まれる。

 そんな作品を見たがる客がいるかって? 実は山ほどいる。続編はハリウッドにとって最高においしい商売だ。綿あめのように量産できる上、固定客も付いている。

 興行成績で見ると、頂点に君臨する『タイタニック』と『アバター』(既に続編の計画が進んでいる)を除けば、上位のほとんどがシリーズもの。3位が『ダークナイト』(5億3300万ドル)、5位は『シュレック2』(4億4100万ドル)、8位は『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(4億2300万ドル)。しかも、これは『スター・ウォーズ』シリーズを勘定に入れないでの話だ。

 だから『アイアンマン2』の試写会に行くのは少し苦痛だった。1作目は気に入ったが、正直あまり覚えていなかった。一緒に行った友人は前作を見ていなかったが、それも大した問題ではないと思った。どうせ『カサブランカ』のような名作ではない。遊園地の乗り物のような映画だから、と。

 実際に作品を見てどうだったかというと、私は部分的に正しかった。遊園地の乗り物には違いないが、これほどアドレナリンが出たのは初めてだ。『アイアンマン2』は『スパイダーマン2』以来最高の続編で、理想的な大衆娯楽作品と言える。クールで爽やかで、大人は子供に戻ったような幸せな気分になれる。観客が子供なら、もっとハッピーになれるはずだ。

 主人公のアイアンマンこと、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、アフガニスタンで負傷した大富豪。自ら発明したロボットのようなスーツで身を固め、市民を危機から救い出す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中