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シンプルになった世界共通語と
「通じる英語力」の磨き方
「プロフェッショナル度」をアップさせる魔法の英単語
鍵となる単語を効果的に差し挟むだけでコミュニケーションの質を劇的に変えられる
人を感動させるスピーチやプレゼンテーションには多くのスキルと準備が求められるが、最も簡単な一歩は「スーパーパワー英単語」を効果的に使うことだ。スーパーパワー英単語とは、まるで絵を描くように聞き手の頭にビジュアルイメージを想起させられる単語のこと。プレゼンテーションをするときも英文メールを書くときも、ノンネイティブが使いがちな平凡な表現をこうした単語に置き換えるだけで「プロフェッショナル度」が高まり、より効果的なコミュニケーションが可能になる。オバマ大統領や有能なビジネス・プロフェショナルの発言にもよく登場するスーパーパワー英単語の効果を下の例で見てみよう。
■problem→hurdle
We're facing a new hurdle on this project.
(私たちはこのプロジェクトで新たな問題に直面している)
あるプロジェクトについて話し合う会合の場でproblem(問題)という表現を使った場合、その問題のせいでプロジェクトがストップするかもしれないというニュアンスが示唆される。だがこれをhurdle(障害物)に置き換えるだけで、ハードル競技の走者が跳び越えるイメージが想起され、目の前にある問題はスキルと努力によって必ず乗り越えられるというポジティブな姿勢を伝えられる。
■opinion→view
In my view, the economy will begin to recover next year.
(私の見解では、景気は来年回復し始めると思います)
自分の意見を述べるときin my opinionを多用していないか? opinion(意見)には過度に個人的で相手と対立するニュアンスが含まれることがあり、聞き手との間にバリアーを生むリスクがある。何かをある特定の位置から眺めているイメージがあるviewという表現を選ぶことによって、自分の経験や目的、知識に基づいた見解であり、他人の意見と異なる可能性があることも認識しているという印象を与えられる。
■disturb→derail(妨げる、計画を狂わせる)
I got derailed by several phone calls this afternoon.
(今日の午後は電話が何本もあり、予定が狂ってしまった)
有能なビジネスプロフェッショナルは物事が前進するイメージを好むため、progress(進歩)やmove forward(前進する)を多用する。また、ある出来事によって事態の進展が妨げられたときは、列車の脱線を意味するderail(妨げる、計画を狂わせる)を使うといい。脱線した列車がいずれ復旧するように、事態の進展が一時的には中断しているものの、最終的なゴールは忘れていないというメッセージを伝えられる。
■plan→strategy
We explained our strategy for selling to Chinese companies.
(私たちは中国企業に売り込むための戦略を説明した)
plan(計画)を持つのは悪くないが、strategy(戦略)のほうがより洗練度が高い。strategyには入念に準備し、複数の選択肢をバランスよく検討し、想定できる結果を比較し、長期的なゴールを想定しているというニュアンスがある。marketing planを持つ企業が毎期、自転車操業で苦しんでいるように聞こえるのに対し、marketing strategyを持つ企業は顧客と競合相手を熟知し、勝機をうかがっているように聞こえる。
■cause→catalyst
The lower price was the catalyst for increased sales.
(低価格が販売増加の要因になった)
何かの原因を説明するときには、科学用語のcatalyst(触媒、促進剤)を使ってみよう。理科の実験中に、液体に少量の「触媒」を加えることで劇的な変化が生じた経験があるのでは? catalystを選ぶことで、ある行動や決定事項がより大きな状況にどう影響したかという因果関係を力強く描写できる。