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パックンの風刺画コラム Superpower Satire (USA)
フェイスブックはどのSNSより多くの医者に使われている?(パックンの風刺画コラム)

©2021 ROGERS-ANDREWS McMEEL SYNDICATION
<内部告発によって多くの問題が指摘されているフェイスブックだが、問題から目をそらす姿勢はかつての「ラクダ」を思わせる>
フェイスブックのロゴ入りTシャツに、この髪形と耳......創業者のマーク・ザッカーバーグだ!
でも、壁に投影されているのはたばこをくわえ、工作員の格好をしているラクダのシルエット。そしてザッカーバーグはMore doctors use Facebook than any other social media platform!(どのSNSよりもFacebookを使っている医師が多い!)と、訳の分からないことを言っている。
では、訳が分かるようにしよう!
1930~50年代後半まで、多くのたばこメーカーは「お医者さんが薦めるブランドだ!」と、自らを誇っていた。その頃、「他のブランドよりキャメルを吸っている医師が多い」というキャッチコピーを生み出したのが、あのラクダマークのブランド。
もちろん、無根拠ではない! ちゃんと聞き込み調査に基づいている。というのは、キャメルブランドのたばこを渡してから、医師に「吸っているブランドは?」と聞いたのだ。まあ、無根拠同然だね。
実は、50年代から喫煙と肺癌の関係性は少しずつ解明されてはいた。それでも、大手メーカーはその事実を否定しながら商品を売り続けた。子供にも、妊婦にも。もちろん、真実を公表し、商売の方法を改めたほうが消費者のためになったはず。
しかし、そんな英断は下さなかった。その理由を当時の責任者に聞くことができたとしたら、きっとこう答えるだろう。「黙って売り続けるほうが楽だ(ラクダ)......キャメルだけにね!」
不都合な情報に目をつぶって商売を続けたのがザッカーバーグとの共通点。先日アメリカ上院で証言した内部告発者によると、フェイスブック(10月にメタ社に社名を変更)は、サイトが人身売買に使われていること、ヘイトスピーチの温床になっていること、新型コロナウイルスなどの反ワクチンの陰謀論を拡散する場になっていること、傘下の写真共有アプリ、インスタグラムが若い女性の身体的なコンプレックスを助長していることなどを内部調査で把握していたという。
そうしたharmful effects of FB(フェイスブックの有害な影響)を知りながら、ビジネスを続けたようだ。例えば、社内のプレゼンでインスタグラムが若い女性に悪影響を与えていることに触れつつも、子供向けインスタグラムの開発を進めていたと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた(その後、批判を受け開発は一時停止)。
この先、フェイスブックの利用者はどう判断するのかは分からないが、ザッカーバーグ本人は内部告発の内容を全面否定している。たばこの健康への害が判明して禁煙した人は大勢いたが、彼らと違って、ザッカーバーグは一切「すいません」と言わないようだ。
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