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石原慎太郎氏が残した3つの謎
ですから、資金がなくても票が転がり込んでくるわけで、反対に派閥の領袖として頭を下げてカネを集めるのは不得意だったのでしょう。84年の挫折の背景にはそうした問題があったのだと思います。カネ集めに失敗したというだけでなく、バブルへと向かう世相の中で、世論のニーズが読めなくなっていたのだと思います。
最終的に1995年に「ブチ切れ」たかのように議員辞職して中央政界を去ったのも、やはり政治家としての限界を悟っただけでなく、橋本龍太郎氏や森喜朗氏などとの確執があったのでしょう。ちなみに、田中角栄氏については再評価するような本を書いていますし、森喜朗氏との関係は修復したようですが、いずれもずっと先の話です。
国政とは反対に、都知事としては、ポピュリズムで票を集めつつ、それだけでは足りなかったのか、カネに関しては利権への関与が取り沙汰されるなど、良くも悪くも都政がシステムとして回っていく仕組みを作り上げたのだと思います。こうした問題については、平成期の政治史としてしっかり検証が必要と思います。
「維新」との違い
3つ目の謎は、その石原都政と現在の維新の会の違いです。どちらも右派のポピュリズムを原動力としていますが、石原都政は地場の利権にはフレンドリーで「大きな政府」でした。その点では大阪維新とは大きく違います。大阪維新は地場の利権を潰す「極端な小さな政府論」に立っているからです。またそれが人気の一因となっています。
この違いは、首都東京と大阪の経済力の差とか、豊かさの残っていた2000年代と衰退の痛みが顕著となった2010年代の違い、というような説明だけでは十分ではないように思います。この問題については、現在進行形で国政における影響力を増しつつある維新について、政治的なポジションを見定める上で重要な比較論になると思います。それは、21世紀の日本の保守主義というのが、何を核にしていて、どこへ向かおうとしているのかを問うことになるからです。
ちなみに、晩年の石原氏は短い期間だけ維新の国会議員であったことがありますが、あれは政策ではなく保守的なイデオロギーを掲げた一種のタレント議員という扱いでした。図らずも政界進出の原点に戻った格好とも言えるわけで、この比較論をする際の参考にはならないと思います。
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