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真鍋淑郎博士のノーベル賞受賞報道、2つの疑問

プリンストン大学でノーベル賞受賞の会見に応じた真鍋博士 Mike Seger-REUTERS
<地球温暖化理論の事実上の提唱者である真鍋博士の受賞という快挙なのに、背景にある気象研究に関して日本の報道があまり盛り上がらないのはなぜなのか?>
プリンストン大学では、多くの関係者がノーベル賞を受賞したことで、華やいだムードになっています。金属元素を含まない「有機分子」を触媒として使うことで、左右対称でない分子を作るなど「不斉有機触媒」の開発をしたデイビッド・マクミラン教授が化学賞を受賞しました。また「最低賃金の導入」などを自然実験のように見立てて進める経済学を提唱した3人の経済学賞受賞者のうち2人は同大の出身です。
フィリピンのドゥテルテ大統領を批判し続けるなど、勇気あるジャーナリズム活動で平和賞を受賞したマリア・レッサ氏も同大卒業生です。なかでも、現在は同大の上級研究員である真鍋淑郎博士の物理学賞受賞は、温暖化理論の事実上の提唱者ということもあり、大きな話題になっています。
この真鍋博士の受賞に関しては、日本でも大きく報じられているようですが、その報道について少々の違和感を覚えたのも事実です。2点ほど考えてみたいと思います。
1つは、受賞の報道は例年以上に大きく取り上げられているのに、対象となった温暖化研究に関する関心が、今ひとつ静かだということです。
温暖化はあまりに有名
その理由を考えてみたのですが、1つには、たとえば過去の「ニュートリノの検出」といった未知のテーマですと、日本の社会が持っている科学への好奇心が刺激されて話題になったわけですが、温暖化理論はあまりに有名であるために人々の好奇心を刺激できなかったのかもしれません。
その一方で、温暖化理論に関しては今でも賛否両論があり、また理論を受けて政策課題となった「カーボンゼロ」の実現方法についても、極めて政治的な対立があります。温暖化理論の持つこうした政治的な側面は、過去の受賞のように純粋な科学的好奇心から受賞の話題で盛り上がるには、ジャマだったのかもしれません。
2点目は、日本の気象学の伝統についての話題があまり出ないということです。
アメリカにおける気象学の発展に功績のある日本人は、真鍋博士だけではありません。真鍋博士以上にアメリカで有名な存在として、藤田哲也博士(1920〜1998)の存在があります。藤田博士は、1953年に渡米後、シカゴ大学を拠点にトルネード(竜巻)について、初めて本格的な研究を行い、アメリカにおける竜巻の「階級判定方法」を考案したことで知られています。
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