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真鍋淑郎博士のノーベル賞受賞報道、2つの疑問
私の住むニュージャージー州は、大西洋岸に位置するため竜巻の発生は少ないのですが、それでも9月1日にはFE0からEF3という強さの竜巻が複数発生して、被害が出ましたし、私の住む町でも2回にわたって避難命令が出ました。このアメリカ人の誰もが知っている竜巻の「EF」という階級(スケール)は、実は「エンハンスト・フジタ・スケール(拡張藤田スケール)」の略なのです。
拡張というのは、20世紀に藤田博士が確立した「F(フジタ)スケール」を、最大風速から判定される階級と被害のインパクトのズレを膨大なデータによって補正したアップデート版という意味です。藤田博士の没後である21世紀に入ってのアップデートにあたっても、「F」つまり「フジタ」の名前が変らずに使われているということは、博士の業績が今もなお評価されていることの証明だと思います。
日本の気象学の伝統
直接の師弟関係ということではありませんが、真鍋博士の前には、藤田博士の存在があり、そしてこれとは別に、20世紀の中期においては「雪の結晶の研究」で著名な中谷宇吉郎博士という存在があります。中谷博士は、あくまで北海道大学をベースに研究を続けた研究者ですが、アメリカの研究所で共同研究に従事していたこともあります。
日本の気象学の伝統としては、中谷博士の以前には寺田寅彦などの啓蒙活動があり、それ以前には江戸時代の『北越雪譜』など長い歴史があります。また現代では気象予報士がブームになるなど、風土に根ざした「気象文化」の広がりがあると言えます。真鍋博士の受賞は、長い歴史を持つ日本の気象文化をベースとしたものだと考えれば、もっともっと盛り上がってもいいと思うのですが、どうでしょうか?
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