- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- トランプ時代のアメリカでは、炭酸飲料の香料まで訴訟…
トランプ時代のアメリカでは、炭酸飲料の香料まで訴訟の標的に
標的となったリナロールは自然由来の香料にも含まれている…… barmalini/iStock.
<今のアメリカは「声の大きな人間」が幅を利かせる時代――無害なはずの香料も集団訴訟のターゲットになってしまう>
アメリカの清涼飲料水業界では、いわゆるコーラ系の飲料は長期低落傾向にあります。その代わり、2000年前後までは「アイスティー」が流行し、また「スターバックス」などの「アイスコーヒー」も登場しています。ですが、近年最も人気があるのは「セルツァー」などと呼ばれる「スパークリング・ウォーター(炭酸水)」です。
スパークリング・ウォーターといえば、フランスのペリエやイタリアのサンペレグリノなどが有名で、アメリカでも大変に人気があります。ですが、こうした輸入ブランドは比較的高価なので、これに対して国産の安い製品がシェアを伸ばしている状態です。
そのなかでも「ラクロア」という飲料は、カロリーゼロで、淡いフルーツ風味が付加されていることで飲みやすいのと、欧州風の缶のデザインが洗練されていることで、ヒット商品となっていました。ペリエより安いとはいえ、コーラ系飲料の倍近い価格でも売れており、ビジネスとしても成功例になっています。
その「ラクロア」が、集団訴訟(クラス・アクション)の標的にされてしまいました。ABCテレビが報じたところでは、イリノイ州を舞台に大規模な訴訟が提起されているというのです。
訴えの趣旨としては、「この飲料は『オールナチュラル(全て天然成分)』と言いながら、ゴキブリ用の殺虫剤を香料として使用しており、消費者を欺いている」というのです。
ターゲットとされているのは「リナロール」という成分です。確かに、この「ラクロア」には香料として使用されています。と言いますか、全世界で非常に有名であり、芳香剤、香水、飲料、食品などに幅広く使われている「香料」です。そして、恐らくは、工業的に生成されたものであると思われます。
では、ゴキブリ殺虫剤というのは本当かというと、これも間違いではありません。リナロールは、虫の嫌う芳香を放つので、多くの殺虫剤に使われているからです。
虫には有害なら人体に対してはどうかというと、人体に対する安全性は各国で証明されています。端的にいえば、リナロールというのは、コリアンダー、オレンジ、ジャスミン、ラベンダーなどの芳香成分の一部であり、人類は有史以前から摂取してきたと考えられるからです。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員