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伊勢志摩サミット、日本文化の真髄として伊勢神宮の紹介を
ですから、「明治期の廃仏毀釈は悪」だから元に戻せなどという善悪二元論では、とても片付かない深いテーマです。実は、あまり知られていないのですが、伊勢神宮も元は神仏習合がされており、その1つのお寺の遺構が残っています。それは、「慶光院」という内宮の参道にある尼寺で、現在は廃寺となっていますが、立派な建物が残っています。この「慶光院遺構」も、可能であればサミットの首脳や取材陣に特別公開して、日本文化の重層性、多様性の象徴として理解してもらえたらいいと思います。
伊勢神宮は確かに内宮を中心とした「天照大神」信仰の場でありますが、同時に外宮があり、多くの別宮があり、また慶光院の遺構があり、その全体が示しているのは日本文化の経てきた長い時間の重みに加えて、時代によって変化してきた多様性と重層性の構造なのだと思います。
今年の伊勢志摩サミットでG7諸国やEUで伊勢神宮への関心が高まるのは素晴らしいことです。「国家神道のイメージと重ねることで嫌われるのでは?」という余計な心配は無用です。堂々と情報発信をして、堂々と首脳夫妻と大報道陣を連れて行けば良いのです。「神道の持つ多様性、庶民信仰、パトロンの多様性、神仏習合」といったキーワードに留意しつつ、学術的な情報を豊富に提供して、積極的に文化メッセージを発信することを期待したいと思います。
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