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五輪をIOCから守るためにできる3つのこと
選手に決定権を!
お金の使い方と開催時期の問題の解決策は明快だ。オリンピック関連の決定権を選手達に委ねることだ。
今のところ、決定権はほぼ全てIOCにある。そしてIOC委員には現役アスリートや国際競技団体から選ばれた人もいるが、委員になってしまえば現役選手に対する説明責任は生じない。なぜなら、委員は委員によって選ばれるからだ。これ、秘密結社とか、『ファイトクラブ』っぽい感じがするね。どんな組織でも第三者機関によるガバナンスがなければ、ブレーキのかからない権力構造となってしまう。アスリートファースト(選手第一)を実践したいなら、アスリートの投票でIOC委員を選出する制度に変えるべきではないか。
例えば、五輪が終わったら、総選挙があって、オリンピック選手が次期IOC委員を選ぶようにするとか。招致の条件、利益の分配、お金の使い方、開催時期などなどを検証して投票する。IOCがいい仕事をしたと判断したら、選手たちが委員を続投させる。不満があれば、交代させればよい。何だったら、閉幕式の最後に選挙結果を発表したら盛り上がるだろうね。選手の皆さんは大満足!IOCは全員再選!でも盛り上がるし、花火と一緒に不評の委員が飛ばされるのも面白そう。
自分の将来がかかっていると感じたら、IOC委員は票を握る末端の選手たちをもっと大事にするだろうね。みんなにシェフ付きのスイートルームを提供しないまでも、少なくとも猛暑の中で走らせないだろうね。もちろん、「優秀な首脳陣を確保するために、VIP待遇しよう!」とか、「視聴率と放送権料を優先して、暑さを我慢しよう!」などと、現役選手も今と同じ判断をするかもしれないが、それはそれでいい。
受動的に与えられた条件ではなく、能動的に自ら選んだ道だから本人たちも納得するしかない。僕の母は父に文句を言われたときにいつも「こんな私と結婚した自分を責めてください!」と言い返していたのを思い出す。同じ理屈だ。結局は離婚したけどね。
国際協力の演出を!
この最後のアイデアはおまけだが、個人的にとても強く望んでいるものだ。「平和なスポーツの祭典」を謳う五輪だが、国際協力よりも愛国心を煽る演出が目立つ。国旗の下で入場し、国同士で競争する。優勝した国だけの国歌が流れる。各国のテレビ局は自国の選手ばかり放送し、国民は自国の選手を中心に応援する。ぱっと見、国家主義の塊に見える。
しかし、国境を越えた感動的なシーンも毎回垣間見える。今回は女子バスケ決勝戦の後、日本代表の写真撮影にアメリカやフランスのチームが飛び込み参加し、多国籍36人の珍しい記念写真ができた。スケートボードでは、転んでメダルを逃した岡本碧優選手を、オーストラリアとアメリカの選手が肩に担ぎ上げて元気づけた。走り高跳びの決勝では決着が付かなかったイタリアとカタールの選手が審判からの提案で、二人で金メダルをシェアすることにした。どれも、平和の祭典にふさわしい素晴らしい光景で、視聴者の記憶に残るだろう。走り高跳びの使われなかった銀メダルもどこかに残っているはずだね。
個人レベルの偶発的な国際協調は素晴らしいが、せっかくだから、演出でも同じような要素を加えてもいいのではないか?ほかの国の選手と並んで入場する?会場の客席に一つずつ旗を置いて、観客が自分の席においてある国の旗の選手を応援するようにお願いする?決勝戦の後、他国同士の選手を組み合わせ、親善のエキシビションマッチやオールスター試合をやる?などなど、やり方は、スケートボードのナイジャ・ヒューストン選手の不気味なタトゥーほどの数あるはず。(沢山あるってこと)。
僕は特に最後の案が好きだ。「中国とドイツペアVS日本と韓国ペア」の卓球ダブルスとか、見てみたい!単純に面白そうだが、有意義な試みでもある。他国を応援し、他国と協力することでファンも選手も楽しみながら国際人として成長できる。ちなみに、僕も卓球を通じて国際的な相互理解を深めている。4年前から福澤朗さんとプレーしているが、そろそろ「ジャストミート」を会得できそうだ。
オリンピックの問題は深刻で根深い。上記のもの以外にも、人権問題のある国での開催、不平等な開催契約条件、不透明な開催地決定プロセスなどの課題もある。しかし、直せないものはない。まずは予算に上限をつけて、選手にIOC委員の決定権を与える。そして、国際協力の要素を増やす。この三つからスタートすれば、イメージも、選手やファンの満足度も大きく跳ね上がるはず。そして、改善の好循環が生まれ、撒いた種が将来大きな果実を生むだろう。それを後世につなげる「成果リレー」が一番大事だね。
(ダジャレの方がまだ無難だ、倒置法より。あっ、使っちゃった。)
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