新宿―東京は何線で? 日本の交通案内は分かりやすいですか
JR東日本がサイトで提供している路線図(英語版)のうち最も詳しいもの
<世界有数の複雑な電車網が張り巡らされた東京。しかも日本語や日本特有の案内用図記号が外国人に理解しづらいといわれる。実際のところ、外国人たちは移動に困り、道に迷っているのか。路上で聞いてみたところ...>
【シリーズ】五輪に向けて...外国人の本音を聞く
12月1日、銀座線上野駅にパンダPepperが登場し、話題となった。Pepperはソフトバンクのロボット・コンパニオン。上野のシンボルであるパンダ風の塗装をほどこしての登場となった(下記は台東区観光課公式ツイッターアカウントのつぶやき)。しかし、白黒に塗り分けられた姿はパンダというよりは異星人に近いのではないか。痩せすぎなのが悪いのか、邪悪な目つきが悪いのか、ともかく違和感満載だ。
台東くん!パンダPepperくんが上野に出現パゴッ!バイリンガルのPepperくんは、六か国の言語で、上野駅周辺の案内や交通の案内をしてくれるパゴッ!来年3月末までの10時から17時まで東京メトロ銀座線上野駅の上野広小路寄りの改札口付近で会えるパゴッ!#パンダ #ペッパー #上野 pic.twitter.com/SLbTiPigXh
— 台東くん (@taito_kun) 2016年12月1日
もっとも、このパンダPepperは見かけにそぐわず、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語の6カ国語を使いこなす優れもので、浅草や成田空港への行き先案内などの業務を担当するという。
なるほど確かに東京の交通はとかく複雑だ。しかも日本語や日本特有の案内用図記号(ピクトグラム)が外国人には理解しづらいという。経済産業省は現在、案内用図記号の改訂を検討中。早くも温泉マークの変更案が賛否を巻き起こすなど話題となっているが、日本独自の図記号を国際規格とすりあわせ、他にも祈祷室や無線LANなどの新たな図記号を来夏までに制定する方針だ。
【参考記事】ニッポン名物の満員電車は「自然となくなります」
外国人にとって日本は過ごしやすい場所なのか。何を改善すればいいのか。東京の交通案内を中心に外国人旅行客、在日外国人に尋ねてみた。
路線図がわかりづらい? いやいや、実は素晴らしい!
新宿・歌舞伎町一番街アーチの下で、英語の地図を必死にめくっている女性がいた。日本に旅行に来ているエマさん(スイス出身、30代女性)だ。東京駅に行きたいのだが、どのように移動すればいいかわからず困っているという。やはり路線図が分かりづらいのかと尋ねると意外な答えが返ってきた。
きれいに色分けされた日本の路線図はとても見やすく、東京での移動はとても便利だとのこと。悩んでいたのは地下街だ。新宿駅近郊には地下街に入る入り口が多いが、どこから入れば地下鉄にたどりつけるのかが分からなかったという。「普通の地下鉄入口はメトロのMマークがありますよね。ここの地下街入り口にはマークはないんですが、ガイドブックにはここから地下鉄につながっていると書いてあって混乱してしまいました」
ちなみに、新宿駅から東京駅への移動はJR中央線が直通していて便利だと教えると驚いていた。使っている路線図が地下鉄だけ掲載されていたものだったのでよく分からなかったという。出回っている外国語の路線図にはどうやらJRと地下鉄が併記されていないものもあるらしく、使い分けで混乱する人もいるようだ。
エマさん以外からも日本の路線図を絶賛する言葉が聞かれた。マリさん(タイ出身、30歳女性)は英語も話せず日本語もたどたどしいが、東京での移動に困ったことはないという。「唯一困ったのが山手線です。外回り、内回りとかいわれてもよく分からなくて」と話している。