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日本の公園が危険な理由 子どもを犯罪から守るには緑を控え目に、そして「フェンス」を
このように、西洋人はフェンスをポジティブにとらえ、日本人はネガティブにとらえる。さらに、日本人はしばしば、ハード面の「区別」とソフト面の「差別」を混同する。その背景には、日本が領域性と監視性に配慮した城壁都市づくりを経験してこなかったことがある。
海外に行くと、街の境界を一周する城壁が今も高くそびえているのに驚かされる。かつて民族紛争が絶えず、地図が次々に塗り替えられていた海外では、異民族による侵略を防ぐためには、人々が一カ所に集まり、街全体を壁で囲んで、入りにくく見えやすい場所にする「城壁都市」が有効とされた。

一方、日本は、城壁都市を建設するまでもなかった。なぜなら、四方の海が城壁の役割を演じ、しかも台風が侵入を一層困難にしていたからだ。実際、日本本土は建国以来一度も異民族に侵略されたことがない。それどころか、戦国時代でさえ、村人や町人が弁当持参で合戦を見物していたほど、危機意識が乏しかった。
フェンスは、「ディフェンス」という言葉から派生したことからも分かるように、守りの基本形だ。子ども向けエリアがフェンスで囲まれていれば、子ども専用のスペースに入るだけで、子どもも周りの大人も警戒するので、だまして連れ出すことは難しい。これが、「入りにくい場所」の防犯効果だ。
実は、子どもの連れ去り事件のおよそ8割は、だまされて自分からついていったケースである(警察庁「略取誘拐事案の概要」)。宮﨑勤事件(1988~89年)も、神戸のサカキバラ事件(1997年)も、奈良女児誘拐殺害事件(2004年)も、すべてだまして連れ去ったケースだ。したがって、ゾーニングされていない公園は、誘拐しやすい場所と言わざるを得ない。
公園設計でゾーニングの発想が乏しいのは、「何事もみんなで」という精神論も影響している。公園に設置される公共トイレが、ゾーニングされずに、「みんなのトイレ」「だれでもトイレ」と名付けられることが多いのも、それが理由だ。
「理性よりも感情」「熟考よりも気合」が重視される日本では、「利用者層別の公園」よりも、「みんなの公園」の発想の方が支持されやすい。しかしそれでは、子どもや女性といった弱者を守れない。犯罪機会論に基づく公園づくりが切に望まれる。
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