コラム

英王族にプライベートは許されない? 「ドタキャン」騒動でキャサリン妃の健康状態にウワサ渦巻く

2024年03月01日(金)17時10分

「キャサリン妃の健康状態はいまだに謎のままだ。腹部手術は盲腸から胃腸まで何でもあり得る。手術は成功したと英王室は1月17日に発表した。キャサリン妃の診断や予後について『がんではない』ということ以外の詳細は明らかにされていない」(ニューヨーク・タイムズ紙)

個人的な医療情報を非公開にしたい皇太子妃の願い

手術は前日の1月16日に行われていた。「皇太子妃は声明が関心を呼ぶことに感謝している。子供たちのためにできる限り平常心を保ちたい、個人的な医療情報を非公開にしたいと望む皇太子妃の願いを一般の人々が理解してくれることを願っている」(17日の声明)

1月29日「皇太子妃は術後療養のためロンドン郊外のウィンザー城に戻った。経過は良好だ。皇太子と皇太子妃はクリニックのチーム全員、特に献身的な看護スタッフに感謝の意を伝えたい」と英王室は広報した。皇太子妃は現在、ウィンザー城内のアデレード・コテージで療養中だ。

昨年1月に亡くなったコンスタンティノス2世はウィリアム皇太子の祖父フィリップ殿下(故人)のセーリング・パートナーで、チャールズ国王とも親しい。チャールズ国王はがん治療のためコンスタンティノス2世の追悼式に出席できなかった。

ウィンザー城聖ジョージ礼拝堂で追悼文を朗読する予定だったウィリアム皇太子はコンスタンティノス2世の遺族に電話で出席できなくなったことを伝えた。英王室は「プライベートな問題」の詳細を明らかにしなかったが、キャサリン皇太子妃は「順調に回復している」と説明した。

プーチンと同じく秘密は憶測を増幅させる

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の健康問題と同じように秘密は憶測を増幅させる。キャサリン皇太子妃は復活祭(今年の学校休日は3月29日~4月12日)が終わるまで公務に復帰する可能性は低いとされる。皇太子妃が公の場に姿を見せない限り、憶測を一掃するのは難しい。

スペインの人気ニュース番組で司会者のジャーナリストは「王室の側近と完全オフレコで話した」として「皇太子妃は合併症が生じたため医師は思い切った決断を下さなければならなかった。彼女を昏睡状態にして挿管しなければならなかった」とまことしやかに語った。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:マスク氏の新党構想、二大政党制の打破には長く

ビジネス

6月工作機械受注は前年比0.5%減=工作機械工業会

ワールド

解任後に自殺のロシア前運輸相、横領疑惑で捜査対象に

ビジネス

日産、米国でのEV生産計画を延期 税額控除廃止で計
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワールドの大統領人形が遂に「作り直し」に、比較写真にSNS爆笑
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 9
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 9
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story