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30歳未満、特に女性はアストラゼネカ製ワクチン接種には細心の注意を 血栓症・血小板減少のリスク
下は感染の広がりが中程度のスライドだ。
次はかなり感染が拡大している状況でのスライドだ。
AZワクチンは重症化と入院リスクを劇的に減らすため、高齢になればなるほど接種を受けるベネフィットが大きいことが一目瞭然だ。
欧州全体では脳静脈洞血栓症169症例、内蔵静脈血栓症53例
欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)もMHRAと同時に記者会見し、「血栓症と血小板減少の同時発生はAZワクチンのごくまれな副反応としてリストアップすべきだ」と指摘した。欧州経済領域 (EEA)とイギリスでは3月22日時点で約2500万人が接種を受け、CVSTが62例、内蔵静脈血栓症24例が確認された。ほとんどが60歳未満の女性だった。また18人が死亡した。
4月4日時点では3400万人が接種を受け、CVSTが169症例、内蔵静脈血栓症53例が報告されている。
AZワクチン接種直後にCVSTを発症したのは100万人当たり2.2人(MHRA)から5人(EMAの最新集計)とばらつきがある。オープン・ユニバーシティーのケビン・マッコンウェイ名誉教授(応用統計学)は「ワクチンの接種にかかわらず1年間では100万人に2~5人の割合でCVSTは発症する。最近の研究では13~16人という可能性も指摘されている」という。
EMAは「血栓症と血小板減少の同時発生はごくまれであり、ワクチンの全体的なベネフィットは副反応のリスクを上回る」と結論付ける。その一方で「もっともらしい説明の一つは免疫応答だ」として、抗凝固薬ヘパリンで治療された患者に時々見られるヘパリン起因性血小板減少症と似ていると分析している。現時点ではリスク要因を特定できないという。
英予防接種合同委員会(JCVI)は「このごくまれな症状に関する既知のリスクファクターは現時点では存在しない。AZワクチンの1回目接種を受けたことに対する特異体質反応のように見える」と分析し、MHRAも「血栓症と血小板減少の同時発生はコロナ感染者でもワクチンの未接種者にもみられないことに留意することは重要だ」と指摘した。
エコノミークラス症候群など血栓症は誰にでも起こりうる症例だ。しかもコロナに感染すると、血栓症を伴うことは少なくない。筆者の友人である30代の女性はコロナに感染して寝込んだ後、皮膚がかゆくなり、足に小さな血斑がみられた。