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独立直後のイスラエルが行ったパレスチナ人の「民族浄化」を告発する
第1次中東戦争でのイスラエルの独立については、周辺のアラブ諸国から攻め込まれたイスラエルはわずかな軍隊しかなく、勝てる見込みはなかったが、アラブ諸国の足並みの乱れと、ユダヤ人の必死の抵抗によって、最終的な勝利を手にした、というのが一般的に説明されていることである。
イスラエル外務省はウェブサイトに<エジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの正規軍がイスラエルに侵攻してきたため、イスラエルは祖国において回復した主権を守る戦いを余儀なくされました>(日本語)と記述している。
ところが、パぺは次のように書く。
ユダヤ人指導部は、公的には最後の審判のシナリオを描いたり、人々に「第二のホロコースト」がいまにも起こると警告したりした。しかし、私的な場でそうした言辞を使うことは決してなかった。......パレスチナ側の軍備が貧弱で、戦闘経験や訓練が乏しく、いかなる戦争を遂行する能力もほとんどないと情報を得ていた。シオニスト指導部は、自分たちが軍事的に優勢で、野心的な計画をほぼ実現できると確信していた。
パぺが書く「野心的な計画」というのは、ユダヤ人指導部が立案した「ダレット計画」と呼ばれるものである。「1948年3月10日に決定され、その後数カ月にわたって組織的に実行された」とする。
「すべてが終わったとき、パレスチナにもとから住んでいた人の半数以上、約80万人が追放され、531の村が破壊され、11の都市部が無人にされた」。パぺはこのことについて、「今日の国際法では人道に対する罪とみなされる民族浄化作戦だったのは明らかだ」と書いている。
ダレット計画を主導したイスラエル初代首相のベングリオンは計画が意図するものについて、1947年12月に次のように語ったという証言を示している。
ユダヤ人国家に割り当てられた領土では現在、非ユダヤ人が40%いる。ユダヤ国家にとって、この構成は安定した基盤にはならない。......少なくともユダヤ人が80%を占めなければ、存続可能な独立国家とはいえない。
パぺはまずパレスチナ人に対する「民族浄化」計画はどのように立案され、決定されたかを追い、その後、戦争の中でどのように実施されたかを、パレスチナの都市や村でのイスラエル軍による破壊、虐殺、追放の事例をあげて詳細に記述している。
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パぺは自らイスラエル人でありながら、自国の戦争犯罪を告発することについて「プロローグ」でこう書いている。
私は告発する、しかし私も本書で非難される社会の一員である。私は自分に責任があると感じるし、物語の一部であるとも考える。......もしわれわれがパレスチナ人にとってもイスラエル人にとってもより良い未来を作りたいのであれば、痛みのともなうこうした過去への旅は、前に進むための唯一の方法であると、この社会に暮らす人々と同様に私も確信している。
イスラエルのユダヤ人研究者が1948年のイスラエル軍によるパレスチナ人の村での虐殺や追放を実証的に取り上げた仕事は、本書が初めてではない。
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