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5大陸の首脳27人が署名した「パンデミック条約」の仕掛け人と中身【声明全文訳付き】
そして同年12月、シャルル・ミシェルEU大統領が国連総会で、パンデミックに対応する国際条約を提案した。
同じく12月にはEU加盟国が、翌年2021年2月にはG7諸国が、国際的な保健協力を強化するための条約の可能性を支持した。
マクロン大統領とビル・ゲイツが主導か
ただし、G20の主要メンバー、日本を始め米国、ロシア、中国、インド、ブラジルの首脳は、この声明の署名者には含まれていない。ドイツもフランスも英国も参加しているのに、日本が参加していないのは、実に悔やまれることだ。
声明の内容を読んでみると、まるでフランス革命後にうちたてられた人権宣言を読んでいるかのようである。人権宣言は、第2次世界大戦後の1948年12月、第3回国連総会で「世界人権宣言」として採択された。「すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権」について述べられている。
最初の「ACT Accelerator」の取り組みが、国の首脳ではマクロン大統領しか入っていないことから、彼がEUに働きかけ、賛成した欧州委員会と共にWHOに働きかけたという線が、濃厚に思える。
そしてマクロン大統領とビル・ゲイツ夫妻は、2017年にフランスで行われた「ワン・プラネット・サミット」(気候変動会議)でも、親しい様子を見せていた。
おそらくこの案は、フランスから発せられたものではないかと思う。特にマクロン大統領とビル・ゲイツのつながりは、注目に値する。
世界的パンデミックに対応するために、「連帯(古くは「博愛」と呼んだ)」が必要であるという考え。人間は「平等」に治療にアクセスする権利があるといった内容(フランスには非正規滞在者=違法滞在者にも健康保険が存在する。「健康と治療は全人間の権利」という考えからである)。世界や社会、人間を「一つ」とみなす思想。
これらのことから、実にフランス主導の可能性が高いと思う。追加の情報を入手したら、また報告したい。
このトリビューン(声明)には、アメリカがつくった第二次大戦後の現代の世界秩序に対して、EUという大組織を使って大きな挑戦をしたいという意図が感じられる。
アメリカがつくった新世界秩序は「自由」が基礎ならば、EUがつくろうとする新秩序は「平等」が基礎となるだろう。
【トリビューン全文】
新型コロナウイルス(Covid 19)のパンデミックは、1940年代以降、国際社会が直面している最大の課題です。当時、リーダーたちは、2つの世界大戦によって引き起こされた大惨事を正しく把握し、多国間システムを形成したのでした。
目的は明確でした。各国を一つにまとめ、孤立主義やナショナリズムの誘惑を回避し、問題に向き合うこと。そして問題は、連帯と協力の精神、すなわち、平和、繁栄、健康、安全のもとでのみ共通の解決策が可能なのです。
私たちは、新型コロナウイルスのパンデミックを克服するために共に闘っていますが、私たちの今日の願いは同じです。次世代を守るために、国際保健の分野で、より強固な体制を構築することです。
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