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ファイザーワクチン「5回」問題はなぜ起きたのか。特殊な注射器なら6回分、米欧では1カ月前に表面化していた
ファイザー社は、明確に使用法を説明していた。解凍して希釈したあと、5時間以内に使わなければならない。そして異なる小瓶の残りを合わせて使うことは禁止であると。
しかし、6回の投与を可能にするには、注射器の種類によるのである。
NHKの報道によると、「海外では欧米を中心に、針の付け根の部分にワクチンが残らないように、押し込む部分の先端に突起がついた特殊な形の注射器が流通している」と、東京慈恵会医科大学附属病院で、医療従事者へのワクチン接種のリーダーを務める石川智久教授は語ったという。
ただ、教授の語るような、ワクチンが内部に残る量が最小限であるものは、欧州にくまなく普及しているわけではない。すべての予防接種場に6回分が可能な注射器がそろっているわけではないのだ。
「6回分」となったときは、パニックとまでは言わないまでも、大きな困惑が欧州に起こったのだった。欧州の医療従事者は、これに適応できる注射器を求めていた。
世界最大のアメリカの注射器メーカー
そこで出てくるのが、このような注射器を生産している世界最大の注射器メーカーである、アメリカのベクトン・ディッキンソン社である。
1月25日、同社は、このタイプの注射器の生産は、当面の間「限られている」と発表した。
同社の広報官トロイ・カークパトリック氏は、AFP通信にメッセージで説明した。このような注射器は「ニッチな製品」であり、需要は「伝統的に最小限にとどまっている」という。
このため、「このような製品の生産能力は限られており、生産能力を高めるには時間がかかる」というのだが・・・。
EUの反応とアメリカ政府の変更決定
欧州連合(EU)の機関である欧州医薬品庁(EMA)は、1月8日、ファイザー製ワクチンの使用のためのプロトコルを更新したものをサイトに掲載、同時にこの問題について言及している。
そこでは、このワクチンの小瓶には、6回分の投与に十分な量が入っていることを認めている(つまり、1瓶で6回使うことが公式に許可されたことを意味する)。ただし、そのためには、注射器や針の部分にワクチンが残る量が少ないものを使う必要があるとしている。標準的な注射器と針を使うと、6回分には足りない場合があると警告している。
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