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見直しが始まった誤・偽情報対策 ほとんどの対策は逆効果だった?
もうひとつは政府や企業、市民といった主要アクターの相互の信頼の確立である。最近、この考え方を図解する論文「Beyond misinformation: developing a public health prevention framework for managing information ecosystems」が発表された。もともとはアメリカの疾病予防管理センター(CDC)もインフォデミック対策として似たようなフレームワークを公開しており、公衆衛生の分野では以前から利用されてきたもののようだ。公衆衛生から一般的なものに広げたものを作ってみた。
もとの論文によると、対策は4つのレベルをバランスよく行うことが必要であり、3次対策と2次対策に集中するとむしろ逆効果になる危険があると指摘している。現在、欧米の民主主義国で起きているのは、まさにこの状況である。
日本の外務省は最近「偽情報の拡散を含む情報操作への対応」を公開し、メディアでも取り上げられた。政府は誤・偽情報対策を含む「新型インフルエンザ等政府行動計画」を発表した。国民に危機感を持ってもらうことには成功したと思うが、想定したのとは逆の効果が広がっている可能性も高い。政府への不信の増大である。緊急時において他国の民間SNSサービスを重要なインフラと考えるのは異常だ。緊急時のための信頼できる情報インフラを整備することが優先課題のはずであり、基礎的対策なのである。基礎的対策を怠った状態で、3次、2次対策のみ強調すればそれは政府に対する不信感を生み、対策全体の効果を下げる。
海外からの干渉が社会に与える脅威の度合いと優先度をただしく検証し、対策の効果と目的をきちんと検証し、バランスよく実施してゆく必要がある。
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