中国、南シナ海に爆撃機展開 米国防長官のフィリピン訪問に関連か

中国は今週、フィリピンと領有権を争う東シナ海のスカボロー礁周辺に長距離爆撃機「H─6」2機を展開させた。確認された衛星画像。(2025年 ロイター/Maxar Technologies)
Greg Torode
[香港 28日 ロイター] - 中国は今週、フィリピンと領有権を争う東シナ海のスカボロー礁周辺に長距離爆撃機「H─6」2機を展開させた。ロイターが衛星画像で確認した。
爆撃機の展開は、ヘグセス米国防長官のフィリピン訪問に先立つ形となる。ロイターは中国国防省に米国防長官のフィリピン訪問との関連などを問い合わせたが、コメントは得られていない。
ヘグセス国防長官は28日、フィリピンのマルコス大統領、テオドロ国防相とマニラで会談し、両国の相互防衛協定に対する揺るぎない関与を確認するとともに中国の脅威を踏まえ、南シナ海に抑止力が必要との認識も示した。
スカボロー礁を巡っては、中国が南シナ海に独自に設定した「九段線」を基に領有権を主張し、フィリピンは同国の排他的経済水域(EEZ)内にあると主張。2016年、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、フィリピンの主張を支持する判決を下したが、中国は認めていない。
アジア地域の安全保障の専門家は、今回の爆撃機の展開は偶発的なものではないとみている。
オーストラリアのグリフィス・アジア研究所のピーター・レイトン氏は、中国は、洗練された軍を有するというシグナルを送るとともに、米国にも攻撃の可能性について警告しているとの見方を示した。