独主要政党、連立政権へ交渉加速 移民政策では隔たり

ドイツでの2月の総選挙で第1党となった保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と、ショルツ首相の中道左派、社会民主党(SPD)は26日、連立政権樹立に向け、次の段階の交渉に入ることで合意した。写真は25日、独連邦議会(下院)で撮影(2025年 ロイター/Lisi Niesner)
[ベルリン 26日 ロイター] - ドイツでの2月の総選挙で第1党となった保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と、ショルツ首相の中道左派、社会民主党(SPD)は26日、連立政権樹立に向け、次の段階の交渉に入ることで合意した。
移民関連などの政策では依然隔たりはあるものの、CDU・CSUを率いるメルツ氏らが28日から最終文書の策定作業に着手すると表明した。
次期首相への就任が見込まれるメルツ氏は、4月末までに連立政権を樹立したい意向だ。
CDU・CSUとSPDはこの2週間、16分野の政策草案に関して議論。26日には「われわれは、強力で政策遂行能力のある政府基盤を築くという目標を共有している」との声明を公表した。
トランプ氏が米大統領に返り咲き、ロシアがウクライナ侵攻を続けるといった対外的な要因に加え、ドイツ経済は低迷が続いており、早期の政権の樹立が待たれる状態となっている。
ドイツ国内で多くの死傷者を出した事件が複数発生したことを受けて、警察と情報機関の監視権限を大幅に拡大する必要性については、草案で一致している。ただ、不法移民への対応を巡って温度差があるなど、主要政策を巡って隔たりが残っている。
一方、総選挙で第2党に躍進した反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、世論調査で支持率を伸ばしている。