米選挙投票、市民権の証明義務付け トランプ氏大統領令

トランプ米大統領は25日、連邦選挙における有権者登録の際に、市民権の証明を義務付ける大統領令に署名した(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Steve Holland Jeff Mason
[ワシントン 25日 ロイター] - トランプ米大統領は25日、連邦選挙における有権者登録の際に、市民権の証明を義務付ける大統領令に署名した。また各州に対し選挙日以降に届いた郵便投票を集計しないよう促した。
大統領令はこれに従わない州に対し、連邦政府の資金提供を停止することも目指している。
トランプ氏はホワイトハウスで大統領令に署名した際、「われわれは選挙を正さなければならない。この国は偽の選挙や不正な選挙のせいでとても病んでいる」と述べた。
連邦選挙で外国人が投票登録することは従来から違法だが、トランプ氏と共和党議員らは、非市民による投票がまん延していると虚偽の主張をしている。
投票権擁護団体は今回の大統領令について、パスポートなどの必要な身分証明書を持たない有権者、特に有色人種の権利を剥奪するものだと指摘しており、訴訟が起こされる可能性が高い。
米シンクタンクのブレナン・センターの調査によると、選挙権を持つ米国市民の9%に相当する2130万人が市民権を証明する書類をすぐに提示できる状態にないという。
大統領令はまた、国土安全保障長官に対し、各州が投票登録者の市民権や移民資格を確認するためのシステムへのアクセスを確保するよう求めている。
ホワイトハウスは、大統領令は外国人が米国の選挙に介入することを防ぐものだと主張した。
ホワイトハウスのファクトシートでは「連邦選挙関連資金(の提供)は、各州が連邦法で定められた公正な手続きに従うことを条件とする」とし「これには、各州が全国郵送有権者登録フォームを使用し、市民権の証明を求めることが含まれる」と説明している。
大統領令は「法律で定められた選挙日までに投票が行われ、受理されることを要求する」とし、投票日以降に到着した郵送投票を集計することを批判している。
全米州議会連盟(NCSL)によると、プエルトリコ、バージン諸島、ワシントン特別区と18の州は、投票日の消印が選挙日前であれば、投票用紙がいつ到着したかにかかわらず集計するとしている。