米、ベネズエラ産石油・ガス購入国に25%関税 4月2日発効

トランプ米大統領は24日、ベネズエラから石油やガスを輸入する国に対し、25%の関税を課すと表明した。写真は2024年4月、ベネズエラのラ・グアイラ港で撮影(2025年 ロイター/Leonardo Fernandez Viloria)
By Timothy Gardner, Marianna Parraga
[ワシントン/ヒューストン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、ベネズエラから石油やガスを輸入する国に対し、25%の関税を課すと表明した。4月2日に発効するとした。
トランプ大統領は、ベネズエラが「非常に暴力的な性質」を持つ「数万人」を米国に送り込んできていることが理由と、ソーシャルメディアに投稿した。
米政権は、独裁色を強めるベネズエラに対する制裁を再開しており、今月4日には、米石油大手シェブロンに与えていたベネズエラでの事業許可を取り消すと発表。30日間の猶予を与えていたが、米財務省は24日、猶予期間を5月27日まで延長した。
ベネズエラ産石油を購入する国を関税で罰することでベネズエラの輸出に打撃を与え、値引きを余儀なくさせる可能性があり、トランプ大統領が1期目の2020年に課した同国への二次的制裁と同様の効果をもたらしそうだ。
アナリストらによれば、シェブロンに対する猶予期間延長で米国の顧客に引き渡された石油の代金は同社に支払われると同時に、今後数週間のうちにベネズエラから輸出される原油量、特に米国向けの原油量が急減することは避けられる。
シェブロンはノーコメントとした。
ベネズエラ政府はプレスリリースで「ベネズエラと石油・ガスを取引する国に25%の二次関税を課すという新たな攻撃を断固として拒否する。この恣意的で違法かつ望みのない措置は、われわれの決意を弱めるどころか、わが国に対して課された全ての制裁の失敗を裏付けるものだ」とした。
<対シェブロン猶予期間延長>
トランプ大統領は記者団に対し、今回の関税は既存の関税に上乗せされると述べた。
原油価格は関税発表で1%上昇したが、シェブロンに対する猶予期間延長を受けて、上値は抑えられた。
中国は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるベネズエラの石油の最大の買い手。直接および間接的にベネズエラ産の原油と燃料を1日当たり約50万3000バレル輸入し、これは総輸出量の55%を占める。
スペイン、イタリア、キューバ、インドも、ベネズエラ産原油を購入している。
コンサルティング会社ゴールドウィン・グローバル・ストラテジーズのデービッド・ゴールドウィン社長は新たな関税について、ロシア産石油に対する世界的な需要を増加させるという皮肉な効果をもたらす可能性があると指摘。「中国やインドはロシア産原油を買えるのに、ベネズエラ産を入手するという追加関税リスクを冒すことはないだろう」と述べた。