ベトナム、昨年の対米輸出は対GDP比30% 関税に脆弱
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ベトナムの米国へのモノの輸出は昨年、国内総生産(GDP)の30%を占め、米の上位貿易相手国の中で最も高い割合となったことが、ロイターによる公的データの分析で分かった。写真は2020年12月、ベトナム・ハノイの輸出用靴工場で撮影(2025年 ロイター/Kham)
Francesco Guarascio
[ハノイ 25日 ロイター] - ベトナムの米国へのモノの輸出は昨年、国内総生産(GDP)の30%を占め、米の上位貿易相手国の中で最も高い割合となったことが、ロイターによる公的データの分析で分かった。トランプ米大統領が打ち出している相互関税に、ベトナムが特に大きな影響を受ける可能性がある。
第1次トランプ政権が2018年、中国との貿易戦争を開始した後、外国の多国籍企業が米国の関税を避けるために中国からベトナムに工場を移したため、ベトナムには外国からの投資が急増した。
ベトナムには現在、韓国のサムスン電子や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の主要事業がある。アップル、インテル、ナイキなどの米国企業も、ベトナムを生産拠点として位置付けている。
製造業への投資が大量に流入したことで、ベトナムは世界のサプライチェーンの主要拠点となり、米との経済的結びつきが大幅に強化された。税関データによれば、ベトナムは今、輸出の29%が米国向けだ。
国連の統計によると、ベトナムの対米輸出は昨年は1424億ドルで、メキシコ、中国、カナダ、ドイツ、日本に次いで第6位となった。