インド、英とのモノの貿易額を10年間で2―3倍に=商工相
Manoj Kumar Shivangi Acharya
[ニューデリー 24日 ロイター] - インドのゴヤル商工相は24日、レイノルズ英ビジネス貿易相との会談後の記者会見で、両国間のモノの貿易額が10年間に2―3倍に膨らむ可能性があると訴えた。両国は自由貿易協定(FTA)や投資条約といった貿易協定案の交渉を加速させる方針で、ゴヤル氏は「画期的なFTAで合意できる」と意気込んだ。
トランプ米大統領が輸入品に対する関税引き上げや、他の措置を指示していることが協議に影響を与えたかどうかという質問には直接的な回答を避けた。
両国の貿易交渉は昨年3月に両国の選挙を控えて一時中断。共同声明によると、スターマー英首相とインドのモディ首相が昨年11月に20カ国・地域(G20)首脳会議の開催地ブラジル・リオデジャネイロで会談した際、交渉を再開することで合意した。
英政府の推計によると、インドと英国の間のモノとサービスの貿易額は2024年9月までの1年間で410億ポンド(520億ドル)に達した。
インドは22年にアラブ首長国連邦(UAE)やオーストラリアなど数カ国と、昨年にはスイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインでつくる欧州自由貿易連合(EFTA)とそれぞれ貿易協定を結んだ。
トランプ氏から輸入関税が「不公平だ」と批判された後、インドはバーボンウイスキーへの関税を150%から100%へ引き下げた。
英国とインドの貿易交渉での課題には、インドが輸入している英国産ウイスキーに課している高額の関税や、インド企業の従業員や専門家が英国で働くための就労ビザを容易にするように求める動きがある。
レイノルズ氏は「貿易交渉には、尊重しなければならない繊細さが常に立ちはだかっている」とし、インドの農産物への関税引き下げと乳製品の市場開放を英国が要求していることに対するインド側の懸念を指摘した。
ゴヤル氏は、一部で報じられた移民問題については貿易協定のいかなる議論にも含まれないと説明。レイノルズ氏は、英政府が貿易交渉とは別の問題として移民問題に取り組んでいると語った。