マスク氏の「政府効率化省」、国民はサービス悪化を懸念=調査
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ロイター/イプソスの最新世論調査によると、米国民の過半数は実業家イーロン・マスク氏(写真)が進める連邦政府機関の縮小で地元のサービスに悪影響が出ることを懸念している。19日撮影。(2025年 ロイター/Nathan Howard/File Photo)
James Oliphant Jason Lange
[ワシントン 20日 ロイター] - ロイター/イプソスの最新世論調査によると、米国民の過半数は実業家イーロン・マスク氏が進める連邦政府機関の縮小で地元のサービスに悪影響が出ることを懸念している。
また、トランプ政権で資産家が過度な影響力を及ぼしていると考える回答者も過半数を占めた。
調査は全米の成人4145人を対象にオンラインで今月13─18日に実施した。
回答者の58%は、公的年金や奨学金といった連邦政府の制度で給付に遅れが生じることを懸念。懸念していないとの回答は29%だった。
また、回答者の71%は政権で超富裕層が過度な影響力を持っていると回答。資産家が政権とのつながりを利用して金儲けをしていると答えたのは69%で、トランプ大統領が掲げるスローガン「アメリカを再び偉大に」に強く共感する回答者でも、44%が同様の見解を示した。
政府支出の削減を目指すマスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」については、42%が支持すると回答。支持しないとの回答は53%だった。共和党員はおおむねDOGEを支持したが、他の有権者の支持は低迷した。
大統領には自身の意に沿わない連邦政府職員を解雇する権利があるとの主張については、62%が支持しないと回答。23%が支持すると答えた。
アナリストは、トランプ氏とマスク氏の言動が行き過ぎだとの認識が広がった場合、政治的に裏目に出るリスクがあると指摘している。
連邦政府の規模縮小という目標を支持すると答えたのは全体の59%。民主党員の3分の1、無党派層の大半、共和党員のほぼ全てが支持を表明した。
米国の対外援助削減については、民主党員の5人に1人、共和党員のほぼ全てが賛成した。
シカゴ大学のアンソニー・ファウラー教授(公共政策)は「DOGEが納税者の重視するサービスを大幅に減らすことなく、政府支出を削減できれば、共和党にとって政治的な勝利となる」と指摘した。
教育省の閉鎖については65%が反対。賛成は30%だった。
<資産家に対する評価>
トランプ氏は、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、マクマホン教育長官ら資産家を閣僚に起用。大統領就任式にはマスク氏のほか、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)、アップルのティム・クックCEO、アルファベットのサンダー・ピチャイCEOなど、大企業のトップが出席した。
今回の調査によると、マスク氏、ベゾス氏、ザッカーバーグ氏に対する好感度は総じて低かったが、他の一部の富豪については名前を聞いたことがないとの回答が目立った。