ベトナム進出の米企業、関税発動ならレイオフ 製造業の3分の2が予想
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在ベトナムの米商工会議所が実施した調査によると、ベトナムに進出している米国メーカーの3分の2近くは、トランプ政権がベトナムに関税を発動した場合、レイオフを余儀なくされる可能性が高いと答えた。写真はベトナムにある靴工場。2020年12月撮影(2025年 ロイター/Kham)
Francesco Guarascio
[ハノイ 20日 ロイター] - 在ベトナムの米商工会議所が実施した調査によると、ベトナムに進出している米国メーカーの3分の2近くは、トランプ政権がベトナムに関税を発動した場合、レイオフを余儀なくされる可能性が高いと答えた。
調査は2月4─11日にインテル、ナイキなど大手多国籍企業を含む100社以上を対象に実施した。
製造業では全体の3分の2近く、全業種では半数弱の企業がレイオフを必要になる可能性が高いとの見方を示した。
全体の81%は関税のリスクに懸念を表明。製造業では92%が懸念を示した。
米商工会議所は「多くの企業が関税によるコスト増加でサプライチェーンが混乱し、事業の見直しを迫られるのではないかと懸念している」と指摘。製造業の94%が悪影響を予想していると述べた。
また全体の41%は米国市場からの事業の多角化を検討。「こうしたシフトにより、企業は輸出を他の市場に振り向けたり、サプライチェーンを調整して米国への依存度を下げる可能性がある」と述べた。
1月末時点のベトナム政府の統計によると、同国への外国投資(ストックベース)の6割以上は製造業の分野で行われている。
複数のアナリストによると、ベトナムは対米貿易黒字が米貿易相手国の中で4番目に大きいため、米国の関税の標的になる可能性がある。特に半導体の対米輸出が多く、半導体関税が打撃になる恐れがあるという。