NZ中銀4会合連続利下げ、0.5%下げ3.75%に 緩和継続へ
Lucy Craymer
[ウェリントン 19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は19日、低迷する経済の回復を支援するため、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.75%とした。利下げは4会合連続。
中銀は追加利下げを示唆。インフレが鈍化する中、低迷する景気の下支えを目指している。
ロイター調査ではエコノミスト33人のうち32人が50bpの利下げを予想していた。
中銀は昨年8月以降、計175bpの利下げを実施している。インフレ鈍化により緩和継続の余地が生じている。
NZドルは0.3%下落。90日物銀行手形先物は上昇した。市場は4月の25bp利下げを織り込んでおり、年末の水準を3.0%付近と予想。この水準が緩和サイクルの底になるとの見方が多い。
中銀は声明で「経済見通しは引き続き、中期的にインフレ率が目標内にとどまる状況と整合的で、(金融政策)委員会はOCR(オフィシャルキャッシュレート)の引き下げを継続する方針だ」と述べた。
中銀は今後数カ月の政策金利見通しを引き下げたが、今後の利下げ幅は25bpになると予想している。現時点で、政策金利が6月までに3.45%、年末には3.1%に低下すると予想。これは昨年11月時点の予想(3.2%)より低い水準。
声明では「経済状況が予測通りに進展し続ければ、委員会は25年までOCRをさらに引き下げる余地がある」とした。
また、中期的に物価安定を維持し、将来のインフレショックに対応する態勢は整っていると述べたが、関税政策を巡る世界的な不確実性が経済に一定のリスクをもたらしているとも指摘した。
インフレ率はここ数カ月下落しており、現在は前年比2.2%となっているが、中銀は第3・四半期に2.7%に上昇し、その後再び下げる可能性が高いとしている。
声明は「NZの消費者物価上昇率は、通貨安とガソリン価格上昇により短期的には不安定になると予想される」と見通した。
「世界経済の不確実性の高まりが企業の投資判断に重くのしかかる見通しだが、金利低下が支出を促すだろう」との認識も示した。
キウイバンクのチーフエコノミスト、ジャロッド・カー氏は「今日の金融政策声明の主なメッセージは、政策金利の(再度の)引き下げだ。中銀は追加の利下げを早めに行うことを示唆している」と指摘。
サクソ・アジア・パシフィックのシニア・セールス・トレーダー、ジュンバム・キム氏は「今回の大幅利下げはインフレリスクやトランプ米大統領の返り咲きなど世界的な不確実性にもかかわらず、経済を再生させる中銀の決意を示している」と述べた。
ウエストパック、ASB銀行、キウイバンク、ニュージーランド銀行など一部の国内大手行は、利下げ発表を受けて、住宅ローン金利を引き下げた。