スリランカ予算案、財政再建の遅れにつながる恐れ=ムーディーズ

2月18日、ムーディーズ・レーティングスはスリランカが前日発表した予算案について、2025年の歳出が財政赤字拡大につながり、財政再建が予想より遅れる可能性が高いと指摘した。写真はスリランカ・ルピー紙幣を数える男性。17日、同国コロンボの商店で撮影(2025年 ロイター/Thilina Kaluthotage)
[コロンボ 18日 ロイター] - ムーディーズ・レーティングスは18日、スリランカが前日発表した予算案について、2025年の歳出が財政赤字拡大につながり、財政再建が予想より遅れる可能性が高いと指摘した。
スリランカのディサナヤカ大統領は17日、昨年の大統領選勝利後初となる予算案を発表。危機に見舞われた国内経済を立て直し、28年以降の債務返済に向けた準備を進めることを重視する。
アナリストによると、スリランカがより多くの資源を福祉とインフラ開発に向けるため、歳出はGDP(国内総生産)の21.8%と試算される一方、歳入はGDPの15.1%になるという。
予算案はGDPの6.7%という赤字目標を設定したものの、これは国際通貨基金(IMF)が推奨する25年の目標5.2%を下回った。
ムーディーズ・レーティングスのシニアアナリスト、クリスチャン・ファン氏は「予算案は依然として低い債務余裕度、なお狭まる歳入基盤、内在する社会的制約という、スリランカ財政当局が直面し続けるであろう課題を浮き彫りにしている」と述べた。