豪中銀、物価見通し下方修正 労働市場なお逼迫=四半期経済見通し
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2月18日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は、経済見通しを下方修正した。写真はシドニーで2024年7月撮影(2025年 ロイター/Jaimi Joy)
Stella Qiu Wayne Cole
[シドニー 18日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は18日、経済見通しを下方修正した。基調インフレは従来予想よりも速いペースで下落するものの、労働市場の逼迫で物価上昇圧力が長引くとした。
中央銀行はこの日、約4年ぶりに利下げを決定。政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、4.10%とした。
同時に公表した四半期ごとの金融政策見通しでは、金融環境は依然厳しいと指摘。また経済見通しでは、中立金利が下方修正されたと述べた。
新たな経済見通しは、この日を含め今年3回の25bp利下げが行われる想定に基づいている。コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値は、4─6月期に2.7%に鈍化すると予想。従来は3.0%だった。
その後は2027年半ばまで同水準で推移するとみられ、昨年11月時点の2.5%からやや引き上げられた。中銀はこれについて「国内経済活動が勢いを回復することで、労働市場の逼迫状況が続き、インフレ率への上昇圧力がある程度持続するという判断に基づく」と述べた。
12月時点で4.0%だった失業率については、6月に4.2%に上昇し、27年半ばまで同水準で推移すると予想。従来予想の4.5%からやや引き下げた。
消費者物価指数(CPI)は6月までに2.4%で推移すると予想。年央に政府による電気料金支援が終了すると、3.7%まで上昇し、その後は再び下落すると見通した。
民間需要の低迷を反映し、経済成長率は昨年後半に1.1%まで鈍化したが、6月には2.0%まで回復するとした。