ニュース速報
ワールド

トランプ氏、対メキシコ関税発動を1カ月見送り 国境警備強化で合意

2025年02月04日(火)04時07分

トランプ米大統領は3日、メキシコに対する関税の発動を1カ月見送り、両国間の「合意」に向け交渉を続けると発表した。写真はメキシコのシェインバウム大統領。1月撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)

[ワシントン/メキシコ市 3日 ロイター] - トランプ米大統領は3日、メキシコに対する関税の発動を1カ月見送り、両国間の「合意」に向け交渉を続けると発表した。メキシコのシェインバウム大統領との電話協議後に明らかにした。

対メキシコ関税発動の1カ月延期は、関税措置発表から48時間足らずでの決定となる。

トランプ大統領は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を4日から課す大統領令に署名。全面的な貿易戦争が経済成長や企業収益を圧迫するとの懸念が高まり、3日の取引で米国株は大幅安、金価格は最高値を更新した。

シェインバウム大統領も、関税の発動が1カ月延期されたと明らかにした。米国への合成麻薬フェンタニルなどの麻薬の流入阻止に向け、国境警備を強化するコミットメントで合意したという。

今回の合意の一環で、メキシコは国境に1万人の部隊を派遣する。米国側も、メキシコへの高性能兵器の流入を阻止するための取り組みを約束した。

シェインバウム大統領は「われわれのチームは、安全保障と商取引の2分野での作業を開始する」とし、今後1カ月で「問題に取り組み、前進するための最善の方法として互いに納得することになるだろう」と述べた。

トランプ大統領は記者会見で、シェインバウム大統領と関税を巡り良い話し合いができたとし、今後メキシコとの「大規模な交渉」を計画していると述べた。さらに、米国へのフェンタニルの流入を阻止する考えを改めて表明した。

ソーシャルメディアへの投稿では「両国間の『合意』達成を目指し、シャインバウム大統領とともに交渉に参加することを楽しみにしている」と述べた。

対カナダ関税については、トランプ大統領は米東部時間午後3時(日本時間4日午前5時)にカナダのトルドー首相と再会談する計画。ただ、米紙ニューヨーク・タイムズによると、カナダ政府高官はメキシコのような1カ月先送りを得られると楽観的に見てはいないもよう。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、対メキシコ関税の延期受け

ワールド

トランプ氏の顧問、教育省の解体計画を検討=報道

ワールド

米にレアアース供給を、トランプ氏がウクライナに 支

ワールド

トランプ氏、中国国家主席と数日中に会談と報道官 関
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?
  • 4
    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…
  • 5
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    脳のパフォーマンスが「最高状態」になる室温とは?…
  • 10
    「103万円の壁」見直しではなく「壁なし税制」を...…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 10
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中