ニュース速報
ワールド

コンゴの反政府勢力、主要都市掌握と表明 国連が攻撃停止要求

2025年01月27日(月)13時33分

 コンゴ民主共和国(旧ザイール)の反政府勢力は26日、東部最大の都市ゴマを掌握したと表明した。写真は北キブで監視に当たる国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)のメンバー。MONUSCOが同日提供(2025年 ロイター)

[ゴマ(コンゴ民主共和国) 26日 ロイター] - コンゴ民主共和国(旧ザイール)の反政府勢力は26日、東部最大の都市ゴマを掌握したと表明した。電撃的な攻勢で数十万人の市民が避難を余儀なくされており、地域紛争への懸念が浮上している。

反政府勢力「M23」が参加する「コンゴ川同盟」の指導者コルネイユ・ナンガア氏はロイターに「われわれはゴマを掌握し、兵士に対し現地時間午前3時(日本時間午前10時)までに投降するよう命じた」と述べた。

ロイターは反政府勢力がゴマを完全に制圧したのか確認できていない。コンゴの政府報道官と軍報道官のコメントは取れていない。

M23は隣国ルワンダの支援を受けており、紛争が激化している東部国境地帯で今月、急速に勢力を拡大。北キブ州の州都であるゴマへの攻撃を開始した。26日夜には政府軍に武装解除と投降を命じ、制圧の準備を進めていることを明らかにしていた。

ナンガア氏によると、交渉の結果、反政府勢力は軍将校が船でゴマから脱出することを認めた。M23の報道官によると、投降した兵士は市内のスタジアムに集められる。

<国連安保理、攻撃停止を要求>

国連安全保障理事会は26日、情勢を協議するため、緊急会合を開き、M23に攻撃と進軍の停止を要求。「外部勢力」の即時撤退を求めた。現地では戦闘が地域紛争に発展し、すでに深刻な人道危機が一段と悪化するとの懸念が浮上している。

緊急会合にオンラインで参加した国連コンゴ安定化派遣団のケイタ代表は、M23がルワンダ軍部隊と共にゴマの外縁部まで侵入したと発言。「道路は封鎖された。空港も避難や人道支援にはもう利用できない。M23はゴマ上空の閉鎖を宣言した。われわれは閉じ込められている」と述べた。

米国、フランス、英国は26日、ルワンダが反政府勢力の進軍を支援していると非難。ルワンダは以前からM23への支援を否定している。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、M23が今月23日にゴマ周辺への攻撃を開始して以降、数十万人の市民が複数の戦闘地域から避難している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

NATO事務総長、国防費のGDP比2%目標引き上げ

ワールド

イスラエル、ヨルダン川西岸空爆 ハマス戦闘員2人死

ワールド

トランプ氏、軍の多様性政策撤廃へ近く大統領令=国防

ワールド

トランプ政権との直接接触、まだ始まらず─ロシア外務
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」で記録された「生々しい攻防」の様子をウクライナ特殊作戦軍が公開
  • 4
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 5
    オーストラリアの砂浜に「謎の球体」が大量に流れ着…
  • 6
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 7
    不動産危機・中国の次のリスクはZ世代の節約志向...…
  • 8
    関税合戦が始まった...移民送還を拒否したコロンビア…
  • 9
    「1日101人とただで行為」動画で大騒動の女性、アメ…
  • 10
    ロシアの学校は「軍事訓練場」に...戦争長期化で進む…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 6
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 9
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 10
    電気ショックの餌食に...作戦拒否のロシア兵をテーザ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中