シンガポールのコアCPI、12月は3年ぶり低水準 中銀政策緩和観測
シンガポール当局が23日発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)統計によると、民間道路輸送と住居費を除くコア指数の上昇率は前年比1.8%と、21年11月以来の低い伸びとなった。資料写真、2017年5月、ショッピングモールで撮影(2025年 ロイター/Thomas White)
[シンガポール 23日 ロイター] - シンガポール当局が23日発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)統計によると、民間道路輸送と住居費を除くコア指数の上昇率は前年比1.8%と、21年11月以来の低い伸びとなった。
ロイターがまとめた市場予想は1.7%だった。11月の1.9%から鈍化した。
12月のCPI総合指数の上昇率は前年比1.6%。市場予想は1.5%だった。
インフレ鈍化を受け、シンガポール金融管理局(MAS)が今月24日の政策見直しで金融政策を緩和する余地が生じた。MASは22年10月に5回連続となる金融引き締めを決めて以降、政策を変更していない。トランプ米大統領の政策を見守るのかどうか、市場の見方が分かれている。
MASは、24日の政策発表時にインフレ予測も示すとしている。OCBCのエコノミスト、セレナ・リン氏は、このタイミングでのインフレ予測発表は異例だとし、予測が現行の1.5─2.5%から1─2%に若干引き下げられると予想した。金融政策手段のシンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)の政策バンドも緩和方向に調整するとみている。
貿易産業省によると、24年の国内総生産(GDP)成長率(速報)は4%で、1.1%に減速した23年から回復した。同省は25年成長率が1.0―3.0%になると予測している。