ニュース速報
ワールド

EU欧州委員長、米と協力の意向 ダボス会議で演説

2025年01月22日(水)01時50分

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(写真)は21日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説し、20日に就任したトランプ米大統領と協議する意向を示し、関税などの手段を用いた国際的な競争の激化を防ぐために協力すべきだとの考えを示した。同日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)

Leela de Kretser

[ダボス(スイス) 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は21日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説し、20日に就任したトランプ米大統領と協議する意向を示し、関税などの手段を用いた国際的な競争の激化を防ぐために協力すべきだとの考えを示した。

厳しいグローバル競争の新時代というテーマで演説したフォンデアライエン氏は、EUと米国間の貿易は世界の約30%に当たる約1兆5000億ユーロ(1兆5500億ドル)で、米国はEUの最も緊密なパートナーの1つだと指摘。最優先事項は早期に「共通の利益について協議し、交渉の準備をすることだ」とし、同時に「常に原則を尊ぶ。利益や価値観を守ることが欧州のやり方だ」と述べた。

フォンデアライエン氏はトランプ氏の名前は挙げなかったものの、国益を守るための制裁措置や輸出規制、関税を使う頻度が増えていると指摘。「グローバル経済の絆を断ち切ることは誰の利益にもならない。ルールを近代化して市民に相互利益をもたらす力を維持する必要がある」との見解を示した。

2024年7月に欧州委員長続投が議会で承認されたフォンデアライエン氏は、欧州は競争力を高め、資本市場の統合を促進するための取り組みを強化する必要があるとも発言。新体制の欧州委としてインドを最初に訪問し、モディ首相と協力して戦略的パートナーシップを強化すると説明した。さらに、中国に対しても建設的な関係構築を呼びかけた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドネシア、iPhone16販売禁止解除で合意間

ビジネス

グーグル、「クロード」のアンソロピックに10億ドル

ビジネス

ECB利下げ支持、今後2会合で─蘭中銀総裁=ブルー

ビジネス

英財政赤字、12月は市場予想以上に膨らむ 利払い費
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 8
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 9
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 10
    「敵対国」で高まるトランプ人気...まさかの国で「世…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中