トランプ氏、きょう米大統領就任式 新たな激動の時代の始まりへ
1月20日、 トランプ氏(写真)が第47代米国大統領に就任する。弾劾裁判や有罪判決、2度の暗殺未遂などを乗り越え、「米国を再び偉大に(MAGA)」を掲げ大統領に返り咲く。写真は19日、ワシントンのイベントで撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
Joseph Ax
[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ氏が20日、第47代米国大統領に就任する。弾劾裁判や有罪判決、2度の暗殺未遂などを乗り越え、「米国を再び偉大に(MAGA)」を掲げ大統領に返り咲く。
就任式は米東部時間20日正午(日本時間21日午前2時)に連邦議会議事堂のロタンダ(円形の大広間)で行われる。
トランプ氏は、2021年1月6日の議会襲撃に関連して起訴された1500人余りのうち、多くを初日に恩赦する方針を示している。このほか移民、エネルギー、関税の分野で大統領令を出す予定。その数は「200以上」との情報もある。
17年と同様、トランプ氏は混沌と破壊をもたらす存在として大統領に就任する。連邦政府の改革に大なたをふるい、第二次世界大戦後の国際政治を形作ってきた米国主導の同盟関係も揺さぶる可能性がある。
再選に失敗した後、大統領に返り咲くのは19世紀後半のクリーブランド氏以来。テキサス大学オースティン校のジェレミ・スリ氏(大統領史)によると、クリーブランド氏が返り咲いた当時も、産業の進歩が経済を変え、富の不平等が爆発的に拡大し、移民の割合が史上最高に達した激動の時代だったという。
「実際語られているのは根本的に異なる経済、人種、性別、社会構成の点で根本的に異なる国だ。われわれは国としてそれが何を意味するのか理解しよう苦戦している。今まさに存在が問われている」と述べた。
<向かうところ敵なし>
昨年の大統領選挙での勝利後、トランプ氏は世界各国の首脳と会談。パナマ運河やグリーンランドの支配、中国やメキシコなどへの追加関税導入などを声高に語り、世論を揺るがした。19日に発効したパレスチナ自治区ガザ停戦はトランプ氏の「圧力」が効いたとされる。
トランプ氏にとっては、共和党が上下両院の多数派であることも追い風だ。閣僚や側近は、ゴルフ仲間も含めトランプ氏と個人的に親しく、同氏に忠誠を誓う人物やMAGA信奉者で固めている。トランプ氏の当選に2億5000万ドル以上を投じた世界一の富豪イーロン・マスク氏は、政府効率化省を率い、政権運営に「波乱」をもたらしそうだ。
8年前、トランプ氏は大統領就任演説で、犯罪がまん延する都市や脆弱な国境といった「米国の惨状」を終わらせると誓った。これはそれまでの新大統領による楽観的、融和を訴える論調と一線を画すものだった。
各国政府は、トランプ氏が20日の就任演説でどのような主張を展開するか、注目している。
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