ニュース速報
ワールド

1月ロイター企業調査:8割が企業献金廃止に賛成、政治は政策議論を

2025年01月16日(木)10時03分

 1月16日、政治資金問題に関連し、企業献金は廃止すべきと考える企業が8割に上ることが1月のロイター企業調査で明らかになった。写真は国会議事堂。2021年5月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Ritsuko Shimizu

[東京 16日 ロイター] - 政治資金問題に関連し、企業献金は廃止すべきと考える企業が8割に上ることが1月のロイター企業調査で明らかになった。政治に対する国民の信頼回復のためには廃止が必要との指摘があるほか、政治には日本経済の成長に資する議論を求めるとして、政治資金問題の議論に時間が費やされることに業を煮やす声も出ている。

調査は2024年12月24日─25年1月10日。調査票発送企業は505社、回答社数は235社だった。

与野党は企業・団体献金の禁止法案について、3月末までに結論を得るとしている。

企業献金の廃止に賛成か、反対かを聞いたところ、賛成80%・反対20%と廃止賛成が多数を占めた。

「一度廃止して自民党は本件に決着をつけるべき。不都合等あれば再度見直すことは可能」(卸売)、「政治に対する国民からの信頼回復のためには、腐敗の温床となりうる慣習は廃止すべき」(サービス)など、政治と金の問題で失墜している自民党や政治への信頼回復には不可欠と指摘する声が多く聞かれた。

また、「政治資金の議論をしていて政策が滞るのは意味がない」(不動産)、「当該内容ではなく日本経済に寄与するテーマの議論を行って頂きたい」(輸送用機器)など、政治資金の議論に時間がとられ、政策議論が停滞することへの懸念も複数示された。

一方、企業献金廃止に反対する声としては「個社の自助努力では解決が難しい課題もあり、政府を巻き込んだ対応が必要となるケースも発生する」(化学製品)、「資金の使途の透明化などが図られていれば、企業は積極的に資金供与し、ロビー活動を行っていくべき」(機械)などの指摘があった。

企業献金を行っている企業に理由を尋ねたところ「議員との関係構築」が15%、「政党や議員からの依頼」、「政党の応援」がそれぞれ13%などとなった。回答はばらけており、企業側も確たる理由というより、慣習で続けている側面がありそうだ。

仮に企業献金を継続する場合には、透明性確保が必要になってくる。透明性の手段としては「政治資金の支出の可視化」が48%、「政治資金の監査を行う第三者機関の設置」が30%のほか、献金する「企業側の公表」も15%となった。

(清水律子 グラフィック作成:照井裕子 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米政府、追加の対ロ制裁発表 トランプ氏就任控え

ビジネス

米財務長官候補、基軸通貨としてのドルの地位強調へ 

ビジネス

セブンMBO案にKKRが優先株出資検討、数千億円規

ビジネス

再送日野自、認証不正問題で米当局と和解 制裁金は約
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視している
  • 4
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローン…
  • 5
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 6
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 7
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 8
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 9
    カリフォルニアの山火事が生んだ火災積雲を激写──NASA
  • 10
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中