ニュース速報
ワールド

米保険CEO射殺容疑者、連邦法の殺人罪でも起訴 弁護側は反発

2024年12月20日(金)11時53分

 12月19日、米ニューヨークで医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が射殺された事件で、司法省の連邦検察官は19日、ルイジ・マンジョーネ容疑者(26、写真)を連邦法に基づく銃火器を使った殺人罪やストーキング罪、銃消音器を不法に使用した罪で起訴した。写真は米ニューヨーク州で撮影(2024 ロイター/Eduardo Munoz)

Julio-Cesar Chavez

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米ニューヨークで医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が射殺された事件で、司法省の連邦検察官は19日、ルイジ・マンジョーネ容疑者(26)を連邦法に基づく銃火器を使った殺人罪やストーキング罪、銃消音器を不法に使用した罪で起訴した。

起訴状で検察官は、医療保険業界と裕福な企業幹部に対する嫌悪感から数カ月にわたる計画的な犯行に至ったと断定した。

この事件ではニューヨーク州検察官が既に、州法に基づく殺人罪やテロ行為としての殺人罪で大陪審が起訴したと発表済み。大陪審は州法違反の第1級殺人罪やテロ行為としての殺人罪など計11件で起訴しており、最高刑は終身刑と定められている。

ニューヨーク州では死刑が数十年前に廃止されているが、連邦検察官は連邦法の殺人罪で死刑を求刑する可能性がある。消音器使用で有罪の場合、被告は最低30年の懲役刑を受ける。

マンジョーネ被告は逮捕の後に拘置され、罪状認否を行っていない。被告側弁護士カレン・フリードマン・アニフィロ氏は「極めて異例な過剰起訴で、憲法上、および、法律上の二重処罰という重大な懸念がある」と批判、法廷で争う方針を表明した。

連邦検察官の起訴状によると、ペンシルべニア州アルトゥーナの警察が同被告所持品の中から見つけたノートには、数ページにわたって手書きで「とりわけ医療保険業界と富裕層経営陣への敵意をむき出しにする」内容が書かれ、10月22日付の箇所には、投資家向け会議で保険会社のCEOを「ぶっ殺す」意図が記されていた。

また「この投資家向け会議は本物の思いがけない幸運だ。最も重要なのは、メッセージが自ずと明白になることだ」とも書かれていた。

起訴状によると、押収物には「連邦当局へ」との宛名書きのある手紙もあり、「私は誰とも協力していなかった」と書かれていた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

景気判断据え置き、「企業収益」は21カ月ぶり下方修

ワールド

10年前不明のマレーシア機を再捜索へ、政府が探査会

ビジネス

焦点:異論根強い「高い最低賃金目標」、政権浮揚の突

ビジネス

シャープ、ソフトバンクに堺工場の一部売却 約100
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    「均等法第一世代」独身で昇進を続けた女性が役職定…
  • 8
    クッキーモンスター、アウディで高速道路を疾走...ス…
  • 9
    米電子偵察機「コブラボール」が日本海上空を連日飛…
  • 10
    日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 5
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 8
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 9
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中