米保険CEO射殺容疑者、連邦法の殺人罪でも起訴 弁護側は反発
12月19日、米ニューヨークで医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が射殺された事件で、司法省の連邦検察官は19日、ルイジ・マンジョーネ容疑者(26、写真)を連邦法に基づく銃火器を使った殺人罪やストーキング罪、銃消音器を不法に使用した罪で起訴した。写真は米ニューヨーク州で撮影(2024 ロイター/Eduardo Munoz)
Julio-Cesar Chavez
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米ニューヨークで医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が射殺された事件で、司法省の連邦検察官は19日、ルイジ・マンジョーネ容疑者(26)を連邦法に基づく銃火器を使った殺人罪やストーキング罪、銃消音器を不法に使用した罪で起訴した。
起訴状で検察官は、医療保険業界と裕福な企業幹部に対する嫌悪感から数カ月にわたる計画的な犯行に至ったと断定した。
この事件ではニューヨーク州検察官が既に、州法に基づく殺人罪やテロ行為としての殺人罪で大陪審が起訴したと発表済み。大陪審は州法違反の第1級殺人罪やテロ行為としての殺人罪など計11件で起訴しており、最高刑は終身刑と定められている。
ニューヨーク州では死刑が数十年前に廃止されているが、連邦検察官は連邦法の殺人罪で死刑を求刑する可能性がある。消音器使用で有罪の場合、被告は最低30年の懲役刑を受ける。
マンジョーネ被告は逮捕の後に拘置され、罪状認否を行っていない。被告側弁護士カレン・フリードマン・アニフィロ氏は「極めて異例な過剰起訴で、憲法上、および、法律上の二重処罰という重大な懸念がある」と批判、法廷で争う方針を表明した。
連邦検察官の起訴状によると、ペンシルべニア州アルトゥーナの警察が同被告所持品の中から見つけたノートには、数ページにわたって手書きで「とりわけ医療保険業界と富裕層経営陣への敵意をむき出しにする」内容が書かれ、10月22日付の箇所には、投資家向け会議で保険会社のCEOを「ぶっ殺す」意図が記されていた。
また「この投資家向け会議は本物の思いがけない幸運だ。最も重要なのは、メッセージが自ずと明白になることだ」とも書かれていた。
起訴状によると、押収物には「連邦当局へ」との宛名書きのある手紙もあり、「私は誰とも協力していなかった」と書かれていた。
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