トランプ政策推進へ2段階の審議、米共和が計画 民主の抵抗阻止も
米議会共和党は、上下両院で多数派を占める来年にトランプ次期大統領の政策を推進するため2段階の計画について議論している。写真は米連邦議会議事堂。11月撮影(2024年 ロイター/Leah Millis)
David Morgan
[ワシントン 3日 ロイター] - 米議会共和党は、上下両院で多数派を占める来年にトランプ次期大統領の政策を推進するため2段階の計画について議論している。
上院のジョン・スーン次期院内総務は3日、非公開の党内会合で野党の「議事妨害(フィリバスター)」を回避する方策を含めた計画を示した。野党がフィリバスターに出た場合、それを止めるには議員60人の同意が必要となる。上院は共和党が53対47で多数派を占める。
同党が検討している「財政調整措置(リコンシリエーション)」は、上院多数派が優先順位が高いと見なす法案を通過させるための仕組みで、60議席ではなく単純過半数での法案採択が可能となる。
財政調整措置には、前段階として予算決議案の審議と成立が必要。会合に出席した共和党のジョンソン下院議長は、議会は今後数週間でつなぎ予算案を可決すると確信していると述べた。現在の資金は12月20日に期限切れとなる。
検討されている2段階計画によると、最初の法案は国境警備、エネルギー規制緩和、国防費といったトランプ氏の政策に焦点を当て、2つ目はトランプ前政権下の2017年に可決され、来年期限切れとなる減税措置を延長するための法案となる。
減税が延長された場合、現在36兆ドルの米債務総額は10年間で4兆ドル増加する。
トランプ氏はまた、社会保障税、残業代、チップ収入への課税を廃止し、自動車ローン利子控除を復活させるなど新たな減税も公約。超党派の財政監視団体である「責任ある連邦予算委員会」によると、10年間で議会予算局(CBO)の基準額を7兆7500億ドル上回る負担となる可能性が高い。