ヒズボラ「停戦違反に防御的攻撃」実施、イスラエルも対応を示唆
レバノン当局は2日、イスラエル軍の攻撃により、レバノン南部で少なくとも2人が死亡したと発表した。(2024年 ロイター/Shir Torem)
[ベイルート 2日 ロイター] - レバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラは2日、シェバア農場付近のイスラエル軍拠点に対し、「防御的警告攻撃」を行ったと発表した。イスラエルによる度重なる停戦合意違反を理由とした。
これを受け、イスラエルのネタニヤフ首相は、同国は攻撃に「強力に」対応するとの考えを改めて表明した。
イスラエル軍によると、ヒズボラからミサイル2発が発射されたものの、死傷者は出ていない。
これに先立ち、レバノン当局は2日、イスラエル軍の攻撃により、レバノン南部で少なくとも2人が死亡したと発表した。イスラエルとレバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの停戦合意の脆弱性が一段と浮き彫りとなった。
レバノン保健省は、イスラエルの空爆によりレバノン南部マルジャユンで1人が死亡したと発表。また、レバノンの国家治安当局によると、イスラエルのドローン(無人機)攻撃により、レバノン南部の主要都市ナバティエで同国軍の隊員1人が任務中に死亡した。
イスラエル軍は、マルジャユンとナバティエでの攻撃に関するロイターの質問に直ちには回答しなかった。
イスラエルとヒズボラの交渉窓口を担うレバノンのベリ国会議長は、レバノンはこれまでに少なくとも54件のイスラエルによる停戦合意違反を記録していると指摘。
ベリ氏は声明で、停戦監視委員会に対し「緊急に」監視を開始するとともに、イスラエルに違反行為の停止とレバノン領土からの撤退を「義務付ける」よう要請した。
先月27日に発効した停戦合意では、イスラエルがレバノンの民間人、軍人、その他の標的に対して攻撃的な軍事作戦を行わないこと、レバノンがヒズボラを含む武装集団による対イスラエル作戦を阻止することを規定している。