米ISM製造業景気指数、11月48.4に上昇 新規受注8カ月ぶりに拡大
米供給管理協会(ISM)が2日発表した11月の製造業景気指数は48.4だった。3月撮影(2024年 ロイター/Carlos Barria)
Lucia Mutikani
[ワシントン 2日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が2日発表した11月の製造業景気指数は48.4だった。2023年7月以来の低水準だった10月の46.5から上昇した。ロイターがまとめた市場予想は47.5だった。
トランプ次期米政権による企業寄りの政策への期待から上昇している他の景況感調査と同様の傾向が示された。
それでも、製造業はまだ難局を脱したとはいえない。ISM製造業景況調査委員会のティモシー・フィオーレ委員長は、需要の低迷と受注残の減少に伴って「11月は生産活動が減速した」と指摘。サプライヤーは生産能力を維持しており、リードタイムは改善傾向にあるものの、一部の製品で品不足が再び発生していると述べた。
拡大・縮小の分岐点となる50は、8カ月連続で下回った。長期的には経済全体の拡大を示すとされる水準(42.5)は、上回った。製造業は米経済の10.3%を占める。
先行指標となる新規受注は50.4と、前月の47.1から上昇した。50を上回るのは8カ月ぶり。
一方、生産は低迷した水準にとどまったほか、仕入れ価格は50.3と、前月の54.8から低下した。商品価格に下落の余地があることを示しているものの、輸入品に対する関税が上がれば反転する可能性もある。
11月はコンピューター・電子、家電製品・部品を含む3業種のみが拡大。輸送機器、機械、化学製品、一次金属を含む11業種が縮小した。
供給業者の納入を示す指数は48.7と、前月の52.0から低下した。50を超えると納入の速度が遅くなっていることを示す。
雇用は48.1と、前月の44.4から上昇した。低水準の状態だが、改善傾向を示した。